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ー2ー

昨日初めてアクセス数とブクマ数の見方を知りました←

ブクマありがとうございます!まさかしてくださる方がいるなんて!!

もう少し(?)したらラブ要素出てきます!!

あ、百合ぢゃないです。



「お嬢様、メルでございます。」

コンコンとドアをノックし声をかけると、「どうぞ」と返事が返ってきた。あ、これはまだ家庭教師がいるな。

失礼致します、と部屋に入ると予想通り家庭教師がおり帰り支度をしている最中だった。

「お嬢様、昼食をお持ち致しました。先生、本日もありがとうございました。」

「あぁ、いえ。では、シルヴィアお嬢様また明日。」

私が先生にお礼を言ってお辞儀をすると家庭教師はチラっと私の方を見た後、すぐにお嬢様に笑顔を向けた。これはいつもの事だ。

「本日もありがとうございました。明日も宜しくお願い致します。」

お嬢様がおしとやかにお辞儀をして笑顔を向けると家庭教師は満足そうに部屋を出ていった。


「はぁ、疲れた。」


家庭教師が部屋を出ていった瞬間、笑顔を歪ませ大きなため息をつくシルヴィア。そしてソファにダイブした。はい、オフモード。

「あぁぁぁ、あの人嫌いっ。メルに冷たいんだもん!!変えてほしい!」

クッションをボフボフ叩いて怒るシルヴィア、、可愛い、、。

「ふふ、お優しいですね。でもそれはできません。それに今回の先生は教え方がお上手だと評判の先生ですよ。いかがですか?」

「むぅ、確かに教え方は上手だけど、、でもぉ、、。」

「今回は何かされたりしておりませんし、何か言われたりもしておりません。ご安心下さい。お嬢様のお気持ちはすごく嬉しいですが、我慢して下さい。」


私は眼帯をしている。隠れていない左目も決して目付きがいいと言えない。真顔だとキツい印象を与えてしまう顔立ちだ。

こんな姿をしているせいか傷物扱いで、よく中傷されたりする。

その為、社交場には基本出席せず、この家で行われるパーティーにも顔は出さない。

グランベール家に迷惑がかかる事はなるべく避けたいのだ。

ゲーム内でもメルは全く社交場へ姿を出さなかった。その理由は家主の外出中に家の中を探る為となるべく目立たなく生活する為だったが、今はそんな事しないので純粋に御家の為である。


そんな感じでひっそりと家にいるものの、シルヴィア付きメイドなのでシルヴィアのお客様とは顔を会わさない訳にいかず、今回の様な事が起きたりするのだ。

でも今回は冷たい態度をとられるだけの軽い方で、今までは面と向かって中傷されたり、旦那様に私を解雇するように直訴したり、普通に突き飛ばされたり、髪ひっぱられたり等々、、さすが乙女ゲーム、見た目だけでこんな苛められ方するんだってくらい苛められた。

まぁ、苛められた次の日にはシルヴィアと旦那様がブチ切れて解雇してくれたので続く事はないのだがそれももう四人目。。さすがに解雇し過ぎるのも世間的に良くない。


正直苛められることに対してはなんとも思っていない。前世ではどうかわからないが、今世では生い立ち上そんな生ぬるい生き方はしていないので少しも痛くも痒くも無いし、今の私にとって優先すべきはグランベール家とシルヴィアなのでそれに関する事でなければ基本的に興味は無い。



「メル、あなたはわたしの家族なのよ?家族が悪く言われるのは我慢できないわ!もし何かされたらすぐ言ってね!」

「はい、お嬢様。」

くぅ、、シルヴィア、可愛すぎます。私を家族と言ってくれる。私、幸せです。私もシルヴィアに何かあったら、、、むしろある前にお守りしますね。


「さぁ、昼食に致しましょう。お約束通りシフォンケーキを焼きましたよ。」

「やったー!!」

ふふ、今回もご期待通りペシャンコですよ。



「お嬢様、最近人前での言葉遣いが一段とお綺麗になられましたね。」

「そうでしょ!!」

料理とカトラリーを並べながら声をかけると、お嬢様が嬉しそうに言った。

「はい、立ち振舞いも様になってまいりましたし、もう立派な貴族令嬢ですね。」

お嬢様は本当に覚えがいいので嫌いな教科も嫌いなだけで出来なくは無い。ヒロインってすごい。

「でも、メルと二人の時は今まで通りこのままだからね!!約束でしょ?」

「はい、お嬢様。」

そう、約束。

シルヴィアが令嬢としての教育を受け始めた頃、シルヴィアは堅苦しい言葉遣いや立ち振舞いの教育をひどく嫌がり駄々をこねた。

それに対し皆お手上げ状態で困り果てていた時、お屋敷に来てメイドのいろはを教わり始める前の私はシルヴィアに言ったのだ。

「私がんばってシルヴィア付のメイドになるから、そしたら私と二人の時は普通でいいよ。」

「……わかった。メルががんばるなら、わたしも、がんばる。約束する!」

それからシルヴィアは嫌がりながらもがんばるようになり、

最近ではオンオフの切り替えまで完璧だ。

あぁ、懐かしい。あの頃は前世の記憶なんて無くて任務の事しか頭になかったハズなのになんだかんだでメルに甘いのね私。


「ねぇ!メルも昔みたいな話し方にしようよ!」

お嬢様は、昼食の食器を片付け、デザートと紅茶を用意する私に思い出したように言った。

来てすぐの頃は敬語を使わず普通に話していたが、メイドの教養を身につけてから敬語で接している。

「私は、お嬢様の様に器用ではないのでオンオフを切り替える事は難しいですね。旦那様に失礼な事を言ってしまったら追い出されてしまいます。」

冗談ぽく言うと「それはやだななぁ~」とシルヴィアも笑いながら言った。

オンオフが出来ないのもそうだが、只でさえ外見にハンデがあるのだ、他は隅々まで完璧にしなくてはいけない。膨らまない呪いは別として。

それに前世がめちゃくちゃ口が悪かったから、なんか記憶が戻った今普通に話すようになったらまた口が悪くなりそうなんだよね。。

やっかい事はなるべく避けなくては。。


そんな、私の気持ちをよそにシルヴィアはシフォンケーキを大きな口で美味しそうに頬張っている。完璧に令嬢としてはアウトだが、私の前だけなのでセーフ。むしろ私的には可愛いからホームランだ。

「メル~今日のシフォンケーキも最高に美味しいよ!次はパンケーキにしてね!」


「………はい、お嬢様。」


また膨らむ系のリクエストありがとうございます。

そのニヤニヤ顔、ご期待を裏切れるよう全力でがんばりますね。


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