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ー9ーパーティー……満喫しました。

長くなってしまいました。


「さぁ、シルヴィア行きましょうか。」


「……はい。」


リカルド様にエスコートしていただき会場に入るとそのままダンスが始まった。

これで始まってなかったらきっともみくちゃにされていただろうな。



多くのご令嬢達がリカルド様と踊りたかったに違いない、だって他の人と躍りながらチラチラこちらを見てるし。


「シルヴィアどうかした?」


「あ、あぁぁ申し訳ありません。視線が気になってしまって。」

主に令嬢の嫉妬の炎に燃えた視線が。


「それはシルヴィアが可愛いからだよ。」


「か、かわ…!」


リカルド様どうしたんですか!いつのまに頭打ったんですか!

変わりすぎでしょぉぉぉ!!


「ふふふ、顔が真っ赤だよ。」


「からかわないで下さい。。」


リカルド様の笑顔に当てられた令嬢がバタバタと倒れる音が聞こえる。。わたしもいっそ倒れてしまいたいわ。。



リカルド様の完璧なリードのおかげで何事もなく一曲が終わった。

わたしは令嬢達の熱い視線のせいで疲れてしまったので少し休みたい。。


「シルヴィア疲れた?休憩しようか。」


「はい、でもリカルド様はご令嬢の方々がお待ちなので踊ってきて下さいませ。」


曲が終わった瞬間から令嬢達がワラワラと集まってきた。


「僕もシルヴィアと休みたいな。」


そんな可愛く言われても……。


「リカルド様、ダメです。皆様リカルド様と踊るのを心待ちしておられたんですよ!交流を持つことは皇太子殿下として大切な事ですわ!私は逃げも隠れもせず、待ってますので踊ってきて下さいませ。そして、宜しければ夜のお庭を案内して下さいませ!」



「……わかった。約束だからね。」


「はい、約束です!」


リカルド様はすぐ令嬢に囲まれ見えなくなった。

あのリカルド様がわたしの友人だなんて……今だに信じられない。

夢かな……?


「シルヴィ。」


「あ、お兄様方!」


振り替えるとお兄様とリリィお義姉様が立っていた。

リリィお義姉様はお化粧直しされてとても綺麗だ。


「見ていたよ。いつのまにリカルド様と仲良くなったんだい?」


「あぁ、あのそれは……」


お兄様方に先程の事を一部始終お話した。


「良かったぢゃないかシルヴィ!きっと父上も喜ぶよ。父上に報告しておいで。」


そうだ、戻ってから父上にも陛下にもご報告していなかった!


「はい、行ってまいります!」




父上と陛下の元に向かう時、ダンスホールの方をチラッと見るとリカルド様がどこかの令嬢と踊っていた。

令嬢はリカルド様をうっとりと見つめていたが、一方のリカルド様は先程の笑顔は無く無表情で踊っていた。

さすがに疲れてしまったのかもしれない。

がんばって下さいリカルド様!心の中でエールを送っておこう。



「あぁ、シルヴィア嬢待っていたよ。リカルドとはどうだった?」


陛下は私を見つけると嬉しそうに声をかけてくださった。


「はい、リカルド様と友人関係になることになりました。」


「ほぉ!それは素晴らしい!リカルドの初めての友人だな!」


私にとっても初めての友人です。


「なぁ、アンドレア!君の娘はすばらしいな!」


「ありがとうございます。自慢の娘ですから。」


すばらしいだなんて………陛下に褒められちゃった。やったよメル!



「今は他の令嬢と踊っているようだが、君と踊っているときとずいぶん雰囲気が違うな。ははは、すごくつまらなそうだ。」


「きっと疲れていらっしゃるんですわ。待たれている方が沢山いらっしゃいましたから。」


わたしなんて一曲で疲れてしまったのに、あれだけ踊ったらヘトヘトになるのも無理はない。


「まぁ、今はそういうことにしておこう。なぁ、アンドレア。」


「そうですね。」


む。どういうこと?


「さて、ダンスが終ったな。シルヴィア嬢はこの後どうするんだい?」


「この後はリカルド様にお庭を案内して頂く約束をしているのですが……。」


チラッとリカルド様を見るとすでに人だかりが出来ていた。

これでは近づく事も出来ない。


「なるほどな、………リカルド!」


突然陛下がリカルド様の名前を呼んだ。すると、囲んでいた令嬢は達がザザザッと道を開けた。あ、これさっきも見た。


「ご友人を待たせてはいけないよ。」


「………!、ありがとうございます父上。おまたせシルヴィア。」


陛下、わたしのためにリカルド様を呼んでくれたのか。


「ありがとうございます、陛下。」


「いやいや、さぁ行っておいで。」


「行こう、シルヴィア。」


あ、笑顔に戻ってる。


「はい、リカルド様」


差し出された手に自分の手を重ねるとギュッと握られた。

なんだか気恥ずかしい。。

そしてまたまた熱い視線が背中に刺さる。。

申し訳ありません!これは友人の特権ということにして下さい!!



会場を出て少し歩くと庭園に面した廊下に出た。

不思議な事に夜なのにほんわか輝いて見える。


「すごくきれいなお庭ですね!!」


「ありがとう。僕も夜の庭は気に入っているんだ。」


「この光っているように見えるのは何ですか?」

よーく見ると沢山の小さな光の粒がふわふわ浮いて揺れている。


「あぁ、これはね、妖精………と言いたいところだけど、魔力の粒なんだ。」


魔力の粒……?


「この敷地内には不審者が進入した時の為に感知式の術式が敷かれていてね、土の所だとこうやって土や草花の本来持つ微量の魔力に反応して輝くんだ。」


「でも、常に反応していては不審者との区別がつかないのでは?」


「ふふふ、そんな簡単な術式ではないから大丈夫だよ。パーティー客との区別もつくようになっているしね。」


へぇ。そんな事もできるんだ。魔法の勉強もしてるけど、設置するタイプの魔法にはまだ詳しくないから勉強になるなぁ。


「シルヴィア、ここへ立ってみて。」


なんだろう。言われるがまま、月明かりのあたる所に立つ。


「ここですか?」


「そうそう、ではいくよ。」


そういうとリカルド様は、わたしの頭上に向けて指をパチンと鳴らした。

すると、

「冷たっ!ってえ!?雪……の結晶?」

パッと上を見るとわたしの少し上くらいに小さな雲みたいなのがあり、そこから雪の結晶が降ってくる。


「これは、魔法ですか?」


「そうだよ。僕は【水】の属性と相性が良くてね。この程度なら詠唱無しで出来るんだ。」


すごい。。『この程度』の基準が高すぎやしませんか。。さすが王族。


「リカルド様すごいです。。すごく綺麗です!月明かりにキラキラ輝いていて。。そうだ!リカルド様もこちらへ!」


「えっ。」

リカルド様は一瞬驚いた顔をしたが、私の隣に来てくれた。


「リカルド様もキラキラです!」


雲が小さくなってきて降ってくる結晶も少なくなってきたが、まだ十分綺麗だ。

リカルド様の金髪と降ってくる結晶がキラキラしてまるで、、


「……星の王子様。」


「え?」


「あ、リカルド様は王子様だからぴったりですね!」


ん?うつ向いてどうしたんですか?


「はぁ、ありがとう。ぢゃあシルヴィアは星のお姫様だね。」


「!!」


「ははは、また真っ赤だよ。」


美しい人の近くにいるのは心臓に悪いことが分かりました。。


「さぁ、そろそろ戻ろうか。」


当たり前のように差し出された手に自分の手を重ねる。


「はい。今日はいつもより遅いのでメルも寂しがってるはずですし。」

今日のお話もしたいしね!


「君のメイドだね。僕も会ってみたいな。」


「本当ですが!?是非会って頂きたいです!」


「今日はなんで彼女を連れてこなかったの?」


「それは、、メルが嫌がるからです。。」


「嫌がる?」


「メルは自分の容姿を気にしていて、社交場には顔を出さないんです。わたしは気にしないのに。。」


「そうなんだ。。なら今度僕が会いに行くよ。」


「え!?いや、そんなお忙しいのに。。」


「友人の家に遊びに行くのは普通にあることだろう?行く前に連絡するようにするから。それとも僕が行くのは嫌?」


「いえ!そんなことありません!メルをご紹介出来るのは嬉しいです!」


「ありがとう、僕も楽しみにしてるよ。」




お父様の所に行くと家族がみんな揃って私を待っていた。

私は、陛下と王妃様にご挨拶をし、リカルド様には馬車までエスコートしてもらった。


「それではまたね、シルヴィア。」


「はい!本当にありがとうございました!」


リカルド様がニコリと微笑んで見送ってくれた。


馬車の中ではお兄様にリカルド様とのこと詳しく追求されたのでお庭であった事などを包み隠さず話した。

すると「さすがは僕の妹。」と、なんだかすごく褒められた。

お父様とお母様もなんだかすごく上機嫌でなんだかすごく嬉しい。


でも今日はすごく疲れた。

そのせいかゴトゴト揺れる馬車が心地よくて眠くなってきた。

今日はたくさんメルにお土産話するから着くまで寝てしまおう。

早く家に着かないかなぁ。。




次はお留守番中のメルたん目線です。

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