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ー6ー


いつものように馬車が見えなくなるまで見送った私は、一緒に見送っていたメイド達と一緒に屋敷に入った。



今日は、待ちに待った攻略対象である第一王子殿下との出会いイベントの日!

この日のためにどれほどシルヴィアを磨きあげたことか。。


第一王子殿下は攻略対象の中でも前世の私が特に入れ込んでいたキャラだ。ちょっと最初は無愛想だが、好感度をあげていくと見ることができるヒロインへの優しさがたまらないのだ。

頭もいいし剣の腕も魔力も高い(成長すれば)。

優良物件過ぎる。

しかも、こっちは天下無敵のヒロイン様とゲームを攻略し尽くした私との最強タッグである。

落とせないハズが無い。


お嬢様が彼に興味を持ってくださらなくては意味が無いが、今日はとりあえず出会って会話して面識を持ってもらえればそれでいい。

ゲーム通りであれば、この先も会う機会は沢山あるハズだから焦る必要は無い。



私だってまだまだ時間はある。


なんてったって私の死亡フラグはすでにへし折ってやったんだから。


と、言っても完全に消えたとはいい難いが、とりあえずゲームのシナリオにあった死亡フラグはへし折った。


『ある貴族が娘を第一王子殿下と婚約させたいが為に、メルの組織にシルヴィア暗殺を依頼する』

シルヴィアは宰相令嬢だから婚約者候補に筆頭だからね。おまけに美人だし。


当然、シルヴィア暗殺の任務を任されたのはグランベール家の使用人であるメル。

ゲームではシルヴィアを生かすために、わざと怪しい動きをし(たぶん)、メルの兄に警戒させ、わざと兄が監視している部屋で全てを話し(たぶん)、シルヴィアを襲うフリをする(たぶん)。そして、入ってきた兄に殺されるのだ。

公式ではメルの真意が書かれていなかった為あくまで私の想像だが、絶対にわざとだと思う!!プレイ中は、『メル、プロのアサシンのはずなのにボロ出しすぎだったな。あれじゃバレるわ。』って思ってたけど、「メル、本気でシルヴィア大好き説(?)」が出てからは『あれは、シルヴィアを守るために立てたメルの計画だったんじゃないか』とユーザー内で盛り上がったのを覚えてる。


その後、メルが全てを暴露した事で組織の事が知れ、依頼した貴族も割り出され組織も貴族も厳しい処罰を受ける事になるのだが、


私はこれを知っていたので、前世の記憶が戻ってすぐ行動を起こした。

その貴族の家に潜入している仲間と連絡を取り内情を調べてもらい情報を得た。

ろくでもない事考える貴族の事だからどうせ何か悪いことしてるだろうと踏んでいたのだが、大当たりだった。

どおりで金回りがいい訳だ。

私はこの情報を組織に報告し、国政の機関に密告させた。

すごい情報だった為、頭領に報酬金が出るハズだと言ったら二つ返事で密告の許可が降りた。密告は潜入していた仲間にさせ、仕事中に偶然知ってしまった事にさせた。まだ10代の子供がまさか工作員だとは誰も思うまい。

計画は上手く行き、その貴族は身分を剥奪され国外追放処分となった。

こうして私は死亡フラグをへし折ることに成功したのだ。


我ながらすばらしく迅速な対応だった。


まぁ悪役だから別のフラグが立つだろうけど。



とにかく今は安全なので、それよりお嬢様が上手く行くことを祈ろう!


それにシルヴィアがいない間に部屋の掃除とかトレーニングとかしたいし。


前世では運動音痴で出不精だったから体力も筋肉も全く無かったけど今世は運動神経抜群で忍者みたいな事できるしちょっとだけど魔力あるから動きたくてしょうがないんだよね。


シルヴィアの私物にお守り程度に魔力を込めるのもハマっている。


初めて込めたのはあのブローチ。

記憶が戻る前だったけど、本で勉強して必死に魔力を込めたのを覚えている。お金を貯めて誕生日プレゼントにあげたんだよなぁ。。


やっぱりメルはシルヴィアの事を大事に思っていたんだね。



最初はうぉいって思ったけど

なんだかんだでメルに生まれ変われて良かったなぁ。

シルヴィアにも会えたし。




よし!シルヴィアが早く大本命の王子様と婚約できるように作戦を練ろ。

彼と結婚できたら絶対お嬢様はトゥルーエンドだ。


ふわぁぁぁぁ、楽しみ。


期待してますよ、お嬢様。


次はパーティーです!!

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