ここから始めよう
僕5歳のレイド、お父さんとお母さんとお姉ちゃんの四人暮らしなんだ。
お父さんは猟師ですごくかっこいいんだよ。
お母さんはうちで家事をやってるんだ。
お姉ちゃんは美人でかわいいし、頭もいいんだよ。
僕はこんな家族に恵まれて幸せです。
ていうのが今の俺の状況、俺は新たな人生を歩み出した。
俺は朝目覚めてからすぐに外に出ようとした。
家の扉の前で赤い髪の少女とばたりと会う。
「姉ちゃんおはよう」
俺が声をかけると姉さんは気付き、こちらに笑顔で返してくれる。
赤く肩まで伸びた髪に、柔らかな瞳、外人のモデル体型みたいでスタイルがいい。
それでいて近くにいるとどこか安心する。
「今日は早いねレイ、何か用事?」
「ジンにいちゃんの狩りを見てくるんだよ」
俺は元気よく言葉を返す
あ、レイというのは俺のニックネームみたいなものだ
ジン兄ちゃんは俺の家の隣に住んでいて姉さんの幼馴染だ。
ちなみにどちらも16歳だ。
「そう、暗くなる前に帰ってくるのよ」
「大丈夫だよ。 じゃあ行ってきます」
俺は扉を開けて外に出た。
外には腕を組みながら外で待っている青い髪の男がいた。
スラ―っとのびた身長に、外国人の特徴の顔の線がはっきりとした顔立ち。
髪は短くもなく長くもないちょうどよい長さで切られた青い髪。
背中には弓と矢筒、腰にナイフといった感じだ。
男はこちらに気づいた。
「よぉレイ迎えに来たぜ」
男はにこやかにこちらに手を振る。
それで周りで歩いていた通行人の女性は男に熱っぽい視線を送る。
ほんとイケメン死ね。
「ジンにぃちゃん」
俺はジンに駆け寄る。
周りは微笑ましい物を見るような視線だった。
「それじゃあ早速行くか」
「レ~イ、ちょっと待って~」
俺たちが向かおうとすると後ろから声をかけられた。
後ろを振り向くと姉さんが手に何か持っている。
「弁当くらい持っていきなさい」
俺に弁当が入った包みを渡す。
「ありがとう姉ちゃん」
俺はお礼を言うと隣のジンに目をやると顔を赤くして何か照れている。
まぁお気づきかもしれんがジンは姉さんに恋心を抱いているのである。
そんな事を知る由もなく姉さんはジンに話しかける。
「弟の事よろしくね」
「お、おう任せとけ」
ジンは顔を真っ赤にしながら姉さんに返答する。
何だろう無性にこいつをぶっ飛ばしたい。
俺はそんな事を考えながら、ジンと二人である場所へと向かった。
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ここは俺たちが住んでいる場所の近くの森。
俺の住んでいる場所は森に囲まれた村で、自然が豊かである。
そのため動物を狩る猟師にとっては最高の狩猟場となっている。
「それよりレイ、お前そんな軽装で良かったのか?」
「はっ、5歳の子供がお前みたいな装備で来れるかっつうの」
俺はジンをバカにしながら森の中を進んでいく。
「ほんとお前俺といる時性格変わるよな」
ジンは俺を苦笑しながら見る。
「素の性格がこれなんだから仕方ないだろ? しかもお前となると話は変わるしな」
「まぁお前が俺と同じ転生者だからな」
そうジンは俺と同じ転生者だ。
この事実に気づいたのは、俺が生まれて数ヶ月たった頃にジンと出会ったことがきっかけだ。
俺がジンを転生者だと気づいたが、伝える手段がなく結局しゃべれるようになるまで、その事実を伝えることが出来なかった。
伝えた後は大体の事をジンから聞いた。
ここが日本ではなく、別な異世界なんだということを
「それで? 今回はどこら辺まで行くんだ」
俺が質問するとジンは少し考えるそぶりを見せた。
「今回はここらへんでいいと思うぞ」
ジンは背中から弓を下ろして準備をする。
俺は適当な切り株に腰を下ろす。
ちなみにこの世界ではステータスというものがあり、それですべてが決まるらしい。
俺は目をつぶりステータスと念じる。
【ステータス】
レベル5
名前:レイド
HP15 MP5
攻撃力:5
防御力:5
俊敏力:5
魔力:5
【ギフト】
『運も実力のうち』 『言語理解』
こんな感じで表示される。
大体名前の通りだが、ギフトととはいわゆる神からの贈り物である。
産まれた時からギフトは決まっていて、決して増えることはないらしい。
この世界の住人なら一つくらいは持っているそうだ。
え、二つ持ってる時点で強そうだって?
そう人生は甘くない。
ある意味俺のギフトは弱い部類に入るものだ。
「レイ、お前あれ狩ってみるか?」
俺はジンの指をさした方を見ると、シカのような動物がいる。
シカっぽいだけで日本にいるものとはだいぶ違うが、シカっていう事にしよう。
「分かったやってみる」
俺は切り株から立ち上がる。
近くにあった石を拾い上げ、構える。
俺はギフトを発動させるよう頭に指示を出す。
すると脳内に投擲と鑑定の技能が出てくる。
俺はその中から投擲を選択する。
選んだあとは全力投球でシカに向かって石を投げる。
脳内で二つの十面ダイスが回る情景が見える。
それがしばらくすると6と3の数字で止まった。
『63/60なので失敗です』
その機会音声が終わると全力投球した石は木に跳ね返り、シカには当たらなかった。
これが俺のギフト[運も実力のうち]だ。
ステータス以外にもう一つ俺には表示されるものがあるのだ。
それがこれだ。
【運も実力のうち】
『技能』
投擲60%
鑑定50%
残り技能ポイント:40
俺はレベルが上がれば貰える技能ポイントを割り振ればどんなギフトでも使用できる。
正し、全て運しだい。
失敗すればその行動は成功しなくなる。
たとえ絶対に失敗しないようなものだったとしてもだ。
例を挙げれば、ぜろ距離でボールを投げたのに、ボールは相手に当たらず真上に飛ぶ、こんな感じだ。
これが失敗の時の恐ろしいところである。
俺がこのギフトを使えないといった理由がこれにあるのだ。
石の音に気づいたシカは、一目散に逃げようとする。
俺はもう一度挑戦しようとする前に後ろから何かが飛来してきた。
それがシカに当たり、動かなくなった。
後ろを振り向くと弓を構えたジンがどや顔をしながら、立っていた。
ジンのギフトは、[必中]どんな状況でも外さないというものだ。
「このチート能力野郎が!」
俺の声が森中に響き渡った。