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日常小話② 女子

潔癖症とあまり関係のない話ですので日常小話として投稿します。よろしくお願いいたします。

賑やかな昼休み、皆が和気あいあいと話に花を咲かせていたり、バカをして大笑いしていたりと楽しい昼休み、俺は食後のデザートとして弁当に入っていたミカンを食べていた。当然海も目の前にいる。普通であればここでミカンを分けたりするのだろうがこいつは筋金入りの潔癖症なのでそういうのはご法度だ。

なので俺は一人でひたすら甘酸っぱいミカンを頬張っている。

海は暇そうに教室の片隅に視線をやっている。その先には女子のグループが集団で何やら話をしているのが見えた、何を見ているんだろうか。


「なに見てるんだよ」


気になった俺は海に尋ねてみた。


「いや……女子はすごいなと思ってな」

「何が?」


唐突にそんなことを言われて返答に困ってしまう。それなのに海はなんてことないかのようにいつもの無表情である。


「見てみろよ、あれを」


仲良さそうな四人、一人が何やら可愛らしいピンクのリップを塗っている、そしてその後隣にいる人に渡した。なるほど化粧品を貸しているのか。

まあ、これは俺も嫌だなと思う。しかし女子たちは何も気にしていない様子で変わらずに楽しげに話をしている。


「僕だったら使われたら相手に文句を言った末に即座にそのリップはゴミ箱の中だな」

「やりすぎだろ、泣くわ」

「む、そうか?」

「それよりお前、男子でよかったよな」

「なぜだ?」

「だってお前のその性格で女子だったら誰とも仲良くなれそうにないからさ」

「……ふむ、確かにな」


海が女子だったら潔癖症による空気の読めなさや容赦のない言動で絶対孤立するだろう。


「男子でよかったな、海」

「うむ、そうだな」


麗らかな午後、海はそっと神様に感謝するのだった。

自分を男子にしてくれてありがとうございます、と……。


しかしいくら男子に生まれてきたとしても海は現在女子には控えめに言っても好かれているとは言えない。むしろ疎まれている。被害者の会まで生まれそうな予感さえしている。


海の女子に対する被害?の話はまたの機会に……。

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