リストカット少女
どうも。総支配人こと狂風師です。
変態とロリコンの狭間で生きる者でもあります。
オチは昔乗った電車の中に忘れてきました。
俺「…何やってんの?」
少女「リストカット」
こうして、少女の傷がまた一つ増えていった。
いつからだろうか。
気付くと家の隅っこに少女が住み着いていた。
話をするわけでもなく、特に害があるわけでもない。
物置にしている部屋の、本当に隅っこ。
荷物のせいで光が当たらないところに、少女は住み着いていた。
『住む』といっても、体育座りでそこにいるだけ。といった感じ。
何も食べない。動かない。
最初はデカい人形かと思ったのだが、瞬きをするのが見えたのだ。
発見したきっかけは、不定期に行っている大掃除だった。
一人でやるのは面倒だったため、友人3人を呼んで行った。
例の物置は、荷物がたくさんあって誰も手を付けない状況だったので、仕方なくジャンケンにした。
結果、負けたのは俺だった。
言い出しっぺの法則…恐るべし…。
しかし、一人でやるのは癪だったので、友人Aを引き連れて物置部屋へと入っていった。
地球儀、よく分からないどこかの国の置物、埃っぽい布が掛けられた箱。
興味を惹く物も多数あったのだが、気味の悪いなんとも表現できない物も多数あった。
ダラダラと手を動かしつつ、それ以上に口を動かしつつ作業は進んでいった。
少女を見つけるまではもう少し時間がかかるのだが、そんな事を長く書いても意味がないので省略する。
もう一段落したら昼休みにしようと思っていた時だった。
友人Aが俺を呼んだ。
友人A「デカいかわいい人形発見!」
と楽しげな叫びをしてみせたが、それはすぐに悲鳴に変わった。
友人の方を見ると、すっかり腰が抜けてしまったかのように座り込んでいた。
俺「幽霊でも出たか」
俺もそこを見てみると、いるわけですよ。
とりあえず昼休みをとり、作戦会議。
アレをどうするか。
考えはまとまらずに、結局俺が何とかする羽目に。
さすがに手を触れるのは怖かったので、まずは声を掛けてみることにした。
白い肌の少女は微動だにせず、それこそ人形に話しかけているようだった。
それが全ての始まりだった。
そして現在へと戻る。
少女は今、俺の目の前で手首を切っている。
赤い血が腕を伝って肘から滴る。
俺「やめなさいって…」
少女「イヤ」
滴り落ちた血は、家の床を染めていた。
いつも同じ場所でソレをするため、今のところ被害は拡大していない。
それが良いことかどうかは…まぁ一旦置いとこう。
一回や二回断られたくらいでは諦めない。
その後もやめるように注意を促してるとき、インターホンが鳴った。
あの時、大掃除を手伝ってくれた友人Aです。
友人A「おいーっす。…また?」
俺「…」
無言で頷いて、友人を部屋へと通す。
友人「ほら、いつもの」
友人が少女に『いつもの』を渡し、自分は菓子パンを食べだす。
いつもの…それは、白くて薄くて体に装備するもので伸びるもの。
もう一つは、これも体に装備するもので粘着質のもの。
…回りくどいね。包帯と絆創膏です。
少女は、もらった絆創膏を傷口に貼り、包帯を巻いた。
友人「この子、どうすんの?」
俺「…考えてない」
住み着いているのは俺の家なのに、俺には懐かない。
懐くのは友人Aだけ。
その証拠に、まるで絡み付くように友人にべったりしている。
ツンデレのデレ状態。
菓子パンを物欲しそうに見つつも、決して略奪するような行為はしない。
食べ終わっても、あれやこれや騒ぐこともしない。
俺の時とは真逆なわけだ。
俺「そいつ連れてけよ」
友人「出来たらそうしてる」
べったりなクセに、決して俺の家から出ていかない。
そこも真逆になれよ。
俺「お、おい。お前ら、人の家だぞ」
友人と少女はじゃれ合いがエスカレートして、とても健全とは言えないような事を仕出かしている。
少女が着ている白いワンピースが、もう少しでずり落ちそうに。
友人は当然のごとく少女のまな板を撫でまわしている。
俺の家なのに、俺の居場所がない。
俺は俺の家を抜け出し、散歩をすることにした。
金も大して持ってない。このモヤモヤとした気持ちを吐き出せる場所があるわけでもない。
なんとなくで歩いてたつもりが、そういう訳かスーパーにやって来てしまった。
仕方がないので、晩飯を適当に買って帰ることにした。
あの少女を見つけてからというもの、食費も約二倍という訳だ。
見てる分にはかわいいのだが…。
ほぼ毎日のリスカ、ツンデレのツンのみ。
返ってくる返事は、ほとんど単語のみ。
俺「誰かもらってくれよ…」
空白・改行含め2000文字。
夜のテンションって素晴らしいね!
そういえば、リスカの話はどこへ…。
続く可能性もなくはない。