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君といた時間   作者: 紀美野 るい
1章~初めての恋~
6/11

第六話~演技会?~

あんなに、まじめに、”好きになっても良い?”だなんて聞かれたの初めて。


一瞬、悠斗がを受け入れたいっていう自分がいて…。


私は、恋を知らないのかも。


私も、誰かを好きになって良いのかな?








「あのさぁ…」



登校中。さっきから私を挟んで、なぜか、悠樹と悠斗が威嚇し合っている。


「さっきから、いい加減にしてほしいんだけど…。それにアタシをはさまないで」


「さっきから、何してるんだ、お前たちは・・・」


蓮も呆れた様子で、言う。


悠樹は、蓮に向かって、


「だって!!!!悠斗の奴、昨日、里香に…ムゴッ」


私は、慌てて勇気の口を手で塞いだ。


「あ、アハハハハハ。昨日、悠斗ったら、昨日あたしの弁当食べちゃってさー!もう悠樹ったら、そんな事で怒らなくても良いのに!!アハハハ」


私は、必死に、蓮をごまかす。


「まったく、本当、似てるよな」


私は、蓮と、クスっと笑った。







「演劇会?」


「そうそうー。今年から、やるんだって!」


由紀は、私の筆箱をいじりながら、言った。


「へぇ!楽しそうじゃん!!」


「だよねー!」


演劇界かぁ。


私は、演劇とか、得意なわけじゃないけど、イベントとかは好きだな。


「へぇー、そんなんあるんだ」


悠斗が、私の頭に手を乗せた。


「和泉君!」


由紀は、驚いた様子でこちらを見る。


私は、ハハッと苦笑した。


「俺、里香の、姫姿とか見てみてーな」


悠斗は、愛らしい笑顔を見せる。


きゅん。


少し、胸が締まるような感じがした。


悠斗は、クラスの女子に呼ばれて、じゃなっと、言って、クラスの女子の方へ行った。


悠斗は、最初のイメージが強烈だったけど、なんか、前より良い雰囲気になって、クラスに馴れて来たみたい。


微笑ましい事だ。






「では、今回のホームルームでは、演劇会の出し物と役回りを決めたいと思います」


クラスがざわついた。


初めての行事に、心が躍らされる。


「えっとーでは、何が良いでしょうか…」


すると、ある女子生徒が、挙手した。


「あの…不思議の国のアリスとかどうですか?」


ワァッ…とクラス中が盛り上がった。


「アリスか…。そうだな。楽しい劇だし、そこまで難しいストーリーでもない」


先生は、うなずいた。


「よし、じゃあ、アリスで良い人は、手を挙げろ」


すると、みんな、手を振り上げた。


私も、楽しい劇になりそうで、手を挙げた。


「よし。じゃあ、決まりだ。役回りだが…」


先生が、役回りを説明しようとすると、悠斗が手を挙げた。


「アリスは、里香が良いんじゃね?」


「中嶋?」


先生がいきなりの発言に驚いているようだ。


私もいきなり名前を出されて驚いた。


すると、クラスの男子が乗ってきた。


「俺も中嶋が良いと思う!元気なイメージだし、顔も可愛いし、アリスにピッタリじゃね?」


他の男子も頷いた。


「ちょ、ちょっと待って…」


私が勝手に流れていく話に項垂れた。


「何だ?里香は嫌か?」


悠斗が、あまりにも私を期待している目をしているから、私は、顔を横に振った。


「よし。じゃあ、決まり!先生、別に良いだろ?」


すると、学級委員長の女子が、バッと席を立ち、


「ちょっと待ってください!!勝手すぎます!女子からやりたいって子がいるかもしれないじゃないですか!」


悠斗は、怪しい顔を浮かべて、


「じゃあ、いるのか?里香より可愛くて、アリスに合う奴が」


「え…えっと…」


可愛いなんて、言葉を出すから、私は、つい顔が赤くなってしまう。


「ほら、いないだろ?里香に決定だ」


クラス中がワーッと拍手をする。


「よろしくお願いします・・・」


私は、乗り気になれないものの、練習に入っていくのだった。






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