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君といた時間   作者: 紀美野 るい
1章~初めての恋~
4/11

第四話~告白~

それは、突然の事だった。


いつも通り、由紀と私で昼食を取っていると、由紀が、いきなり私の手を握ってきた。


「里香!!!!お願い!!!」


由紀は、私の目を真剣に見て、話し始めた。


私は、いきなりの事に動揺しながらも、頷いた。


由紀が、こんな風に、私を真剣な眼差しで見るのは、初めてだから。


私は、蓮の教室に行った。


「蓮!」


私は、蓮を手招きする。


「どうした?」


「あの…ちょっと話したい事がある…」


「え?」


蓮は、呆然としていた。


私は蓮の手を引いて、校舎裏に向かった。


草が荒れた中、一本の道があった。


ここだと、見つからないだろう。


「あのね。由紀が…」


あ、まただ。


蓮をデートに誘おうとした時と同じ。


なぜか胸が苦しくて辛い。


「あの…」


「何となく、分かるよ」


「え?」


「由紀さん、俺に好意を持ってるんだろ」


蓮にはすべてがお見通しだったらしい。


すると、蓮は私の頬を大きな手で撫でた。


「れ…ん…?」


蓮は優しい目で私を見つめる。


吸い込まれそう…。


漆黒の黒色の髪が際立てる綺麗な透き通った茶色の目。


私は、これ以上、蓮を見ると、自分がおかしくなりそうで、蓮から目を逸らした。


「お前は…。何で悠樹なんだよ」


蓮は、私の肩に頭を埋めた。


「え…何…」


「俺は、由紀さんと付き合うつもりなんて無い。俺は好きな子がいるっていっただろ。なのに、何で応援する?」


そう。私は分かっていた。由紀が振られる事。


だって…蓮の好きな子は、由紀じゃない事ぐらい、蓮の由紀への目を見て分かった。


蓮は、どんな女の子だって夢中になる綺麗な目を持っているけど、蓮の心冷めた目で見られると、


怖くなる。


蓮はモテるけど、今まで、その突き刺す様な目で女の子たちを遠ざけてきた。


その遠ざけられた女の子たちの中に、由紀がいたのを分かっていた。


きっと、蓮が心を許した目で見るのは、私と悠樹ぐらいだろう。


蓮の親も、仕事ばっかりでほとんど家にいないし、最初会った時は、すごく冷酷な目だった。


だけど、私は、諦めなかった。すごく冷たい目をしているから、私が温めたいと思った。


私が、幼かった頃の純粋な気持ちだった。


恋愛感情では無いと思うけど、友達になりたいと思った。


いつの間にか、蓮は、私と悠樹に心を許すようになった。


私たちだけに心を許してくれるのも、嬉しいけど、複雑。


このままで良い訳がない。


何で応援する?。そんなの決まってるじゃん。


一人ひとりに、愛を求める権利があるから。


私が、どーやこーやで、決める事じゃない。


「由紀は、純粋に、蓮が好きなんだよ?ちょっとは分かってあげて。純粋で、綺麗で、温かい気持ちを


蓮は、私を抱き締めた。


まるで、私の愛を求めるかのように。



「蓮…やめて」


すると、蓮は、サッと体を私から離した。


「ごめん。忘れて。いつどこに行けば良いの?」


「今日の放課後、ココで待ってるって」


私は、蓮の背中に向かって呟いた。


「分かった」


そういって、蓮は、校舎へ戻っていった。


私は、その場にペタンとひざを着いた。


すると、カサッと、奥の方で聞こえた。


もしかして聞かれた!?


「だ、誰!?」


すると、ある人が歩み寄ってきた。


「悠樹…」


悠樹は、サッと手を私に差し伸べた。


「大丈夫か?」


「大丈夫だけど…見てたの?」


「だって、気になるじゃん。里香が蓮を呼び出してさ」


「あ、あれは!!」


「分かってる。由紀ちゃんの頼みだろ」


「うん…」


しばらく沈黙が続いた。


全部見られたってことは、抱き合ってるとこも…


「お前、蓮が好きなの?」


私は”蓮が好き”という言葉にビクンッと反応した。


「ちっちがう!!!!」


私は全否定した。


「ならいーけど。アイツ、好きな人いたんだな」


「らしい…ね」


すると、悠樹は、ハハッと笑い、私に背中を向けた。


「実はさー俺もいるんだよな!好きな人」


「え?」


「本当に、大好きで大好きでたまらなくて、見てたらキスしたくなるし、他の男と喋ってたら、いらつくほどにね」


そう言って、私の方に振り返り、私のあごに手を付けた。


「な…」


私の手に汗が出てくる。だんだんと悠樹の顔が近づいてくる。


すると、悠樹は、ガンッと私のおでこに悠樹のおでこをぶつけて、


「冗談。好きな人がいるのは本当だけど」


そういって、歩き出した。


な、な、何アイツーーーー!?


ついに頭イカれた!?


私にまで、あんな言葉を発すなんて!!


私は、水面所に行き、顔を洗った。


まだ、顔が熱い。


キスされるかと思った…。


「里香♪言ってくれた?」


「あ、うん!」


由紀が、私に喋りかけた。


「顔真っ赤だよ?どうしたの?」


「え、あ。いやああ!アハハハ!今日暑いよねー!」


「そう?」


「う、うん!」


私は、笑ってごまかした。


由紀。ごめん。


「まあ、ありがとう!」


「ううん」


「頑張るね!!!ほんと、あの遊園地の時から、蓮君を見る度、心が跳ね上がってさぁ…」


由紀、可愛いな。


恋する乙女は可愛いってこの事か。


でも、こんな複雑な感情、始めてかも。







「里香、良いのか?」


帰り道、今日は、悠樹と帰った。


「良いの。今頃、由紀を止めたって、意味無いよ」


そう、由紀の告白の結果は決まっている。


由紀には悪いけど、私の心の奥底で、由紀が振られることを嬉しく思う自分がいる。


蓮が、誰かに夢中になって、私の傍から離れていくのが怖い。


「そんな思いつめた顔になるなよ!」


「うん…」


由紀の事だから、すぐに立ち直るよね。








次の朝、蓮はいつも通りだった。


蓮にとっては、日常茶飯事だもんね。


「ふったの?」


私は、恐る恐る聞いた。


蓮は、静かに頷いた。


「そっか…」


そのまま、気まずいまま、登校した。








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