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第六話 祟神の伝承

 どうやら鈴花の一家が、

 代々、村八分にされていたのは、村に伝わる、

 祟神たたりがみの伝承に関係があるらしい。


「これは、もう何世代も前の昔の話なんだけど」


 と、語る、鈴花の話によると、


「あたしの、ご先祖様の一家は平凡な農家だった」


 らしいのだが、その一家が、山犬の子犬を拾い、

 大事に育ていたそうだ。

 だが、ある時、事件が起きた。


「その当時の村長むらおさのバカ息子がね」


 一家の娘を手籠めにしようとしたという。

 それで成長していた山犬が娘を助けるために、


「村長の息子に噛みついたらしいのよ」


 しかし、村長は息子が山犬に噛まれたことに、

 激怒して、


「山犬を殺処分するように一家に命じたの」


 村長に逆らえない一家は、

 泣く泣く山犬を殺処分したのたが、

 本当の悲劇は、この後の出来事だった。

 山犬が殺処分された後、


「今度は村長の息子が仲間を連れて、娘を拐い」


 山中で数人で乱暴したのだ。

 娘は事件の後、自害して両親も村八分にされる。


「そして両親も失意の底で病死してしまう」


 だが、その後、

 殺処分された山犬が『祟神』となって、

 村は度重なる飢饉や疫病に襲われた。それでも、


「生き残った娘の弟が、罪人の娘を嫁にして」


 鈴花の先祖になったそうなのだが、

 今でも、この血族は村八分にされているという。

 僕は、この話を聞いて、


「なんて酷い村なんだ」


 と、憤りを覚えた。

 だが三休狂雲は、いつもの冷静な口調で、


「人の世とは、このような醜い側面もある」


 などと、悟りきった言葉を発した。しかし、

 その次の瞬間のことだ。急に空が暗くなり、


「その娘が、この土地を離れることは許さない」


 と、一頭の犬神が姿を現した。

 三休は鈴花を守るように犬神の前へと出る。


「お前は祟神だな」

「よそ者には関わりのないことだ」

「そうはいかない」


 三休は朱塗りの木刀で打ちかかった。だが、


 ガジリッ!


 犬神は木刀に噛みついて攻撃を防ぐ。

 その刹那、僕は刀を抜いた。しかし、犬神は、


 グォンッ、


 木刀ごと三休を振り回して、勢いよく、


 バシィ!


 僕の身体に三休を叩きつける。その一撃で、


「ぐあっ」

 

 僕は吹き飛ばされ、地面に転がった。

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