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第28話 宿命の戦い〈序〉

挿絵(By みてみん) 


 港町のニューハウンはカラフルな町並みで、

 まるでメルヘンの世界のようだが、裏社会では、

 ギャングの血なまぐさい内紛が勃発している。


「さあ、ここよ」


 と、アヤセに案内された、ロキのアジトは、

 酒場の地下にあり、その薄暗い室内で、


「お前が伝説の剣士か?」


 一人の男が豪華な椅子に座り、

 悠然と葉巻を吹かしていた。こいつがロキか。


「この時代に第六天魔王に逆らっても」


 そう言いながら、ロキは煙を吐き出し、


「殺されるだけだろう。奴に勝てる者はいない」


 などと、語る、ロキの顔は悪党らしく、

 吊り上がった細い目と、歪んだ口元が特徴的だ。

 僕は、そんなロキを無言で睨みつけた。


「・・・・・・・」


 それでもロキは葉巻をくゆらせ、

 威圧するような目つきと口調で、言葉を続ける。


「俺と一緒に面白可笑しく生きたほうが、良いぞ」

「僕は犯罪者にはならない」

「だが、お前は所詮、人殺しだ。地獄へ落ちる」


 確かに、それはロキの言う通りだ。

 僕は、ろくな死に方はしないだろうし、それに、

 死んだ後も極楽浄土へは行けないだろう。


「それでも僕は、お前が嫌いだ」

「おいおい、露骨だな。デリカシーに欠けるぞ」


 と、余裕の態度を見せるロキの背後で、

 ユラリと不気味な黒い影が動いた。その影は、


「久し振りだな、沖田君」


 そう声を発して、一歩、二歩と前へと出てくる。

 この不気味な影の正体は、


「芹沢鴨!」


 奴は新選組の筆頭局長であり、

 近藤勇と対立したことで、僕が暗殺した人物だ。


「その腰の刀は虎徹か。ということは」


 と、芹沢はニヤリと笑った。

 

「近藤君も沖田君も、死んだということだな」

「あんたも、この異世界に転移していたのか」

「この異世界では私はロキさんの客人なんだ」


 そう言いながら、刀を抜いた芹沢が、

 さらに、こう言葉を続ける。


「まあ君には、個人的にも生前の恨みがある」


 薄暗い地下室の中、芹沢の刀がランプの灯りで、

 

 ギラリ、


 と、鋭い光を反射した。


「沖田君。これは宿命の対決かな」


 猛獣のような芹沢の眼光が、僕を捕らえる。


「さてさて、今日は負けぬぞ。さあ来い、沖田君」


 芹沢は、どこか楽しげな口調で喋りなから、

 間合いを、ジリッ、ジリッと、詰めてきた。

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