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第20話 暗殺の後で

 ガウェイン卿を暗殺した後、

 僕とトリスタンは深夜の城に向かった。

 そこでは若き大臣・モルドレッドが待っていて、


「任務は完了したのかな?」


 と、問う。

 この時、僕はガウェイン卿の首を差し、

 ぶっきらぼうな声で要求した。


「見ての通りだ。アヤセを解放しろ」

「わかったよ。ついて来い」


 モルドレッドはクルリと背を向けて、

 城の地下室へと向かい、そこで僕は、

 思わず言葉を漏らす。


「なんて、酷いことを」


 全裸姿のアヤセが荒縄で縛られ、

 天井から吊るされていたのだ。


「アヤセ、大丈夫か」


 彼女は僕の声を聴き、

 虚ろな目を空けて、こちらを見る。

 モルドレッドはニヤリと笑みを浮かべ、


「このオンナは犯罪者だ。ある程度の拷問はな」


 と、テーブルに並べられた拷問器具から、

 一本の鞭を手に取り、


 バシィーッ!


 アヤセの背中を叩く。


「あひッ」


 悲鳴をあけるアヤセを、

 いやらしい目で眺めるモルドレッド。


「止めろッ」

「そんなに騒ぐなよ。さあ連れて行け」


 と、モルドレッドが言い終わる前に、

 僕はアヤセに駆け寄り、縄を解いて解放した。


「ありがとう、助けてくれたのね」

「さあ、早く、ここから出よう」


 僕は新選組のダンダラ模様の陣羽織を、

 アヤセに羽織らせて、


「もう僕は王室とは関わらない」


 と、吐き捨てるように言葉を残し、

 アヤセと二人、その場から立ち去る。

 そして、翌朝。僕は、


「これから、どうしようか」


 と、少々、困っていた。

 帆船カティーサーク号の修理は終わり、

 明後日に出港の予定なのだが、アヤセが、


「窃盗団の一員であることが、バレたみたいなの」


 ということで、船長から乗船を拒否されたのだ。

 そしてアヤセは、小舟に乗せられて、

 アヴァロン島から追放される。僕も成り行きで、


「アヤセ、君一人で航海は無理だろう」


 と、小舟に乗り、二人で大海原に出た。


「いったい、どこに、たどり着くのやら」


 僕は、ため息混じりにオールを漕ぐ。


「成るように成るわよ。私は強運なの」


 と、アヤセは楽観的な言葉を発しながら、

 涼し気な表情で小舟に揺られ、

 白い日傘をさしていた。

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