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第二話 久遠の騎士

明けまして、おめでとうございます。

今年も、よろしくお願いします!

 労咳で死んだはずの僕は、

 赤い月の浮かぶ『異世界』に転移したようだ。

 そして真夜中の寺の境内で、

 三休狂雲と名乗る僧侶と出会う。だが、その時、


 ガシャン、ガシャン、


 金属音を響かせて、赤い満月の下、

 西洋の鎧を着た騎士が槍を携えて、

 僕の方へと歩いてきた。


「ほう、貴様が伝説の剣士か?」


 騎士の問いに、僕は無言のまま身構えた。

 手には、先程、大蛇を叩き斬った、

 抜身の菊一文字を握っている。


「私は強い戦士を求めて彷徨う、久遠の騎士だ」


 その久遠の騎士を見ながら、三休は、


「奴は魔物だ、気を付けろ」


 と、言う。その言葉を聞き、

 僕は静かに刀を構えた。対峙する久遠の騎士は、


「なかなか良い構えだな」


 と、兜の奥の眼が、ジッと僕を見ている。


「僕は新選組の一番隊長の沖田総司」

「そんな異世界のことは知らないが」


 そう言った久遠の騎士は、こう言葉を続けた。


「相手にとって不足はない」


 そして、次の瞬間、


 ガシャーンッ。


 西洋鎧が音を立てて、


「ウラーッ!」


 久遠の騎士は槍を突き出す。僕は、その動きに、


「は、速い」


 やや、驚いたが、反応できない程ではない。


 ササッ、


 たいを右にかわしながら、

 パッと、刀の間合いに踏み込んで、


「イヤアーッ」


 奴の首を水平に薙いだ。しかし、


 グォーン。


 刀は空を斬る。久遠の騎士は身を反らせて、

 紙一重で僕の刀を避けていた。その刹那、


 ドカッ。


 騎士の右足が僕の腹を蹴り上げる。


「ゔぐっ」


 鎧を着込んだ、硬くて重い一撃だ。さらに、


 ガツンッ。


 左の拳で、顔面を殴られた。

 この一発で、僕は真後ろに吹き飛び、


 ドシャン。


 と、地面に転がる。


「どうした。その程度か」


 そう言った久遠の騎士は、槍を構えて、


 ジリッ、ジリッ。


 慎重に間合いを詰めてきた。空には赤い満月。

 その月光を反射する久遠の騎士の鎧。この時、


 ギラリ。


 槍の矛先が不気味な光を放つ。

 久遠の騎士は低い声で言葉を吐いた。


「伝説の剣士ではなく、ただの迷い人のようだな」

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