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第15話 ロカ岬の対決

 この異世界の地の果てにあるロカ岬。

 その近郊の村で、

 山賊・トウジン坊の退治を依頼された僕は、

 心の中で、


「なぜ、この地域には憎悪が満ちているのだろう」


 と、感じた。地域全体が、

 陰湿な雰囲気に包まれていて、

 村の人々も嫌な顔つきをしている。


「トウジン坊は毎日、あの桜を見に来るのですよ」


 そう言った村人Aの視線の先には、

 岬の丘に立つ、桜の木があり、海からの風で、

 ヒラヒラと花びらを散らしていた。

 この時、村娘Bは、


「若侍様、必ずトウジン坊を殺して下さい」


 と、懇願する。

 彼女は家族をトウジン坊に殺されたらしい。


「わかりました」

 

 そう答えた僕だが、やはり、

 この村娘Bにも嫌悪感を覚えていた。その時、


 カラン、コロン、カラン。


 下駄の音が聴こえ、巨漢の怪人が姿を現す。

 手には長大な棍棒を持っていた。

 その姿を見た村人Aが、

 


「あれです。奴がトウジン坊!」


 と、大声で指をさす。


「何だ、お前は?」


 そう言ったトウジン坊は、

 僕を睨みつけながら近づいてきた。


「村人の依頼で、お前を退治する」

「何故、こんな村の人間の味方をするのだ?」

「お前は女性や子供も殺害したのだろう」

「そう言う、アンタも人殺しだな」

「確かに、僕は大勢の人を斬った。だが仕事だ」


 トウジン坊と僕が、そんな問答をしていると、


「若侍様、早く、奴を殺して!」


 村娘Bが叫ぶ。

 その次の瞬間、棍棒を振り上げたトウジン坊が、


「死ね、よそ者が!」


 鬼の形相で殴りかかってきた。

 たが、しかし、僕は、


「イヤアーッ!」


 気合一閃。抜刀の一撃を放つ。


 ズバンッ。


 手応えがあり、

 刀はトウジン坊の胴を深く斬った。


 ブシャアァーッ。


 大量の鮮血が飛ぶと、


 バタリ。


 と、トウジン坊は、その場に倒れる。

 奴は自らが流した血の海で、


「うが、うがぁ」


 もがくように苦しみの声を発した。そして、


「お、お母さん、助けて」


 そう一言、声を漏らして絶命したようだ。


「この世というものは、いったい何だろう?」


 と、僕は思う。幕末も、この異世界も、

 

「人々は、互いに対立して憎しみ合い」


 決して相容れれることなく、

 無情な死がだけが溢れかえっていた。

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