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第14話 ロカ岬のトウジン坊

 ロカ岬は、この異世界の地の果てだった。


 ザザーン。


 荒々しい波。

 その断崖絶壁の上に立つ僕は、

 新選組のダンダラ模様の陣羽織姿で、腰には、

 近藤勇から受け継いだ『虎徹』を指している。

 

「若侍様、お願いできますか?」


 村人Aが僕の機嫌を伺うような声色で言った。


「いいでしょう。やってみます」


 この村人Aの話によると、

 近年、この近隣の村々は、度々、

 トウジン坊という怪人に襲われているらしい。

 そして、ある村は、


「去年の今頃、皆殺しにされました」


 という話だ。そして村人Aは言葉を続ける。


「奴は残忍で、女性や子供も容赦なく殺します」


 このトウジン坊の退治を僕は頼まれたのだ。


「若侍様、お一人で大丈夫ですか?」

「僕は新選組の一番隊長でした」

「はあ?」

「こう見えても、動乱の京都で恐れられた男です」


 そんなことを言っても、

 この異世界では意味がない。


「まあ、仕事で人を斬るのは日常茶飯でしたよ」

「腕には自信が、お有りのようですね」


 この時、海からの風が吹き、

 満開の桜の花がヒラヒラと花びらを散らす。


「それでトウジン坊とは何者なのですか?」

「両親が死んだ孤児です」

「それが何故」

「あま、寺で育てられたのですが虐められていて」

「虐められていた?」

「頭が悪く、愚鈍な奴でしたから」

「それを恨んでいるのですね」

「そうかもしれませんが」


 そのトウジン坊が、ある時、寺を出て、

 数年後、フラリと村に戻り、

 ハロウィンの相撲大会に参加したらしい。


「村の力自慢が次々と投げられ、死者も出ました」


 その後、トウジン坊は山賊となり、

 この近隣の村を襲うようになったという。

 どうやらトウジン坊は、


「桁外れに強く、残忍な奴ですね」


 そこへ、村娘Bが駆け寄ってきた。


「若侍様、どうかトウジン坊を討ち取って下さい」


 そう言って、僕に訴えかける娘の顔付きは、

 どこか陰湿で、声にも嫌悪を感じる。


「アイツは、私の両親と幼い弟を殺したのです」


 村娘Bの眼には憎悪が満ちあふれていた。

 僕には、この村の人々が、

 どうにも好きにはなれない。それでも、


「トウジン坊は僕が退治しますよ」


 凶悪な山賊は成敗することにした。

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