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第一話 異世界転移

 幕末の動乱の時代、京都で僕は、

 新選組の一番隊長として戦っていた。


「だが、労咳を患って」


 死んだはずだったのだが、


『これは真実にして嘘偽りなく』


 漆黒の闇のなかで不思議な声が聞こえる。


『確実にして最も真正である。

 下にあるものは上にあるものの如く、

 上にあるものは下にあるもの如し』


 そして今、なぜか寺の境内に立っていた。

 僕の病は、すっかり良くなっているようで、


「呼気が楽で身体からだは軽い、それに」


 愛刀の『菊一文字・則宗』を腰に差して、

 浅黄色にダンダラ模様の、

 新選組の陣羽織を羽織っている。


此処ここ何処どこなんだ?」


 静寂のなか、

 空には赤い満月が浮かんでいる。

 だが、突如、


 ガバッ!


 巨大な大蛇が藪の中から飛び出して、


「う、うあッ」


 僕に襲いかかってきた。

 咄嗟に、後に跳んで距離をとる。


 ギラリ。


 大蛇の金色の目が闇のなかで光り、


 シャアアァァッ。


 大きな口を開け、威嚇してくる。

 僕は当惑ながらも、


「このバケモノは何なんだ?」


 腰の刀に手をかけ、抜いた。

 そして一歩、二歩と間合いを詰めて、


「イヤァーッ!」


 気合一閃、大蛇の首を一刀両断にする。


 ブシャーッ。


 闇夜に、生温かい血飛沫が散った。

 そこへ、一人の僧侶が寺から出てきて、


「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」


 経を唱えながら、こちらに歩いてくる。


「かなりの腕前だな」


 僧侶は、そう言った後、


「拙僧は三休狂雲さんきゅうきょううん


 と、名乗った。その僧侶に僕は、


「僕は沖田総司です。ここは冥府ですか?」


 と、尋ねると、三休は首を横に振り、


「いや、違うな。お主は別世界から来たのだろう」


 そう言いながら僕の顔を、ジッと見た。


「お主は伝説の剣士かもしれない」

「伝説の剣士、ですか?」

「伝説によると異世界から若い剣士が現れて」


 そこまで語ると、

 三休は夜空の赤い満月を見上げ、

 静かな声で言葉を続ける。


「この世界に『新たなる希望をもたらす』という」

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