表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/20

第2話 監視魔法 Zavix、ダンジョンに初期導入

「スキルも付与できましたし、それでは早速転生しましょう。」


光りに包まれたかと思ったら、俺はダンジョンの入口に立っていた。


黒々と口を開ける洞窟。吹き出す冷気。背筋がゾワッとする。

いや、ダンジョンってもっとワクワクするものじゃないのか?

目の前にあるのは、完全に「データセンターの地下フロア」の不気味さだ。


「ここが、あなたが管理するダンジョンです」


横に立つ女神セラフィーナが告げた。

その微笑みだけが、この陰鬱な場所にやけに場違いで……逆に心が落ち着く。


> 《監視魔法 Zavix 初期化を開始します》


突然、空間に浮かぶ魔法陣が光り、見慣れたインターフェースが目の前に展開された。

グラフ、リソースメーター、ログ画面……いやいやいや、どう見ても監視システムのダッシュボードだろこれ。


「セラフィーナさん!これ……完全に運用監視ツールじゃないですか!?」

「ええ。愛するものを見守るのに、これ以上ふさわしい力はありませんから♡」


……母性的な微笑みを浮かべながら言うな!


俺の目の前に「ダンジョンリソース状況」という表示が浮かび上がる。


---

【Zavixダッシュボード】

魔力供給量:78%

罠耐久度:65%

通路安定度:92%

モンスター発生率:監視中

---


「……モンスター発生率が“監視中”ってどういうことだ?」

「このダンジョンは、まだ生成されたばかり。十分なデータが蓄積されていないのです。

発生率を正確に算出するには、しばらく監視し、記録を集める必要があります。」


セラフィーナが柔らかく微笑む。

「ですから、最初のうちはアラートが鳴るたびに、あなた自身の経験も合わせて記録していくのです。

ほら、まるで赤ちゃんの成長を見守るように……ね♡」


「……いや、異世界に来ても結局ログ取りからかよ!」

俺は頭を抱えた。


なるほど。これは単なるチートじゃない。俺が散々使わされた、あの監視ツールにそっくりだ。

だが、今度はサーバじゃなくダンジョンを監視する。

なんだこの妙な安心感は……。


「では、試しにログを開いてみましょう。」


セラフィーナが俺の手を取ると、空中に光の文字が流れた。



---

【Zavixログ】

[09:12] 魔力供給ライン、正常。

[09:13] 通路に異常なし。

[09:14] ……ピコン! 新規イベント発生。

---


「イベント発生って……おいおい、早速かよ!」


目の前の魔法陣が赤く点滅し、アラート音が鳴り響く。

俺の背筋がゾクリとした。


> 《アラート:E001 スライムが通路1に出現しました》


「スライム!?」

思わず叫んだ俺に、セラフィーナがにっこりと頷く。


「はい、最初の監視対象です。愛情を持って、適切に対処しましょうね。」


……愛情って言い方やめろ!

だが、アラートが鳴った以上、無視はできない。

ここで行動しなければ、ダンジョンマスター失格だろう。


俺は深呼吸し、Zavixのログをもう一度確認した。

──そうか、まずは「状態確認」だ。


「……って、異世界でまでインシデント対応するのかよ!?」


こうして俺の二度目の人生、最初のインシデント対応が幕を開けたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ