第1話 我が名は"ナポレオン・ボナパルト"
18世紀後半、フランスで世界中を揺るがす事件が起きた。
そう、――ーフランス革命である。
―フランス革命広場―
その日、フランスは怒りと血に染まっていた。
広場に集まる群衆の叫びは、空を裂くように響き渡る。
「殺せ!王を殺せ!」
「我らを苦しめる王を、処刑しろ!」
ギロチンの刃が落ちる瞬間―
「ズバァァン!」という金属音と共に王の首が宙を舞った。
フランス王・ルイ16世の最期に、
その場にいた群衆は狂気じみた歓喜を上げた。
それは、―絶対王政の終焉を告げる鐘だった。
この事件の知らせを聞いて、周辺諸国の王たちは震え上がる。
「我が国でも革命が起これば、
王の首も刎ねられるのか」と。
彼らは恐怖から軍を動かし、今のフランスを潰すことで
フランス革命を"失敗"に終わらせようとした。
そうすれば、我が国で革命などという"馬鹿な真似"をする
連中が現れることはないだろう。
これが、彼らの策謀だった―
「軍を全てフランスに向かわせよ!
奴らを徹底的に潰すのだ!!」
――――――――――――――――
―フランス議会―
その頃、王を処刑した民衆の代表たちは、
団結するどころか、むしろ混乱に陥っていた。
「どうするんだ!王を殺したのはいいが、
この後の国を誰が治める!?」
「俺たちは王権の下でしか生きたことがないんだ!
何をすればいい!」
「周辺諸国は次々とこちらに軍を送ってきているんだぞ!
戦争だ!もう後戻りはできない!」
「なぜお前が仕切るんだ!俺たちは、みな平等だろ!」
机を叩き、怒鳴り声が飛び交う。
フランスの民衆たちは一つにまとまることが出来ないまま、各国との戦争が始まっていった。
戦況は圧倒的に不利。フランスが潰され、
フランス革命は失敗だったのかと皆がそう思った時ー。
"戦争の天才" が現れたのだー
彼の名は、"ナポレオン・ボナパルト"
――――――――――――――――
彼はフランス本土から離れた".コルシカ島"の出身であった。
名家の出自でもなく、友も少ない。
いつも机にかじりつき、本ばかりを読み漁っていた。
彼は、英雄譚、歴史書、戦記を好んだ。
「いつか自分も、歴史に名を刻む英雄になる―」
その思いだけを、胸に秘めて毎日を生きていた。
やがて、彼は士官学校へ進む。
――――――――――――――――
―コルシカ島・とある士官学校―
「明日、赤と青の2つの軍分かれて雪合戦の演習を行う。
今日のところは、それぞれ総大将を決めろ。」
教師の声に、生徒たちがざわめく―
「両軍とも、出揃ったようだな。
赤軍の総大将は…ベルモンド。
青軍の総大将は…ボナパルトか。」
「絶対、こんなの赤軍のほうが勝つじゃん!」
「だよな。ベルモンド先輩は、
この学校1の成績を誇る天才、おまけに名家の出ときた。 容姿端麗、運動神経も抜群。こんなの勝負にならねーよ」
「てか、俺らの総大将、誰?
ボナパルト…?聞いたことないんだけど。」
「なんか今年入学してきたてらしいよ。」
「なんで、あんな奴が立候補したんだよ。負けたわ。」
赤陣営は早々に勝利を確信。
一方、青陣営はやる気もなく、諦めムードに包まれていた。
「この雪合戦は、軍事演習の一環であることを忘れるな。
両軍とも、きちんと作戦を立てておくように。」
「せんせぇ〜、ちょっといいですかぁ〜?」
赤軍の総大将・ベルモンドが気の抜けたような声を上げた。
「なんだ、ベルモンド。」
ベルモンドは、対戦相手を嘲るような口調で言った。
「いや、僕っていうか、みんな思ってるかな…と思うん
ですけど。僕と彼、ボナパルト……くん?とじゃあ、
あまりに差がありすぎではないですか?
これでは、勝負にならないと思うんですけど…。」
「気持ちは分からんでもないが…そう言うな。
俺はこの勝負、面白いことになるのではと思っている。」
教師のこの一言に、生徒たちが少し驚きの表情を見せた。
「先生、面白いことになるですって?
悪いが、そんなことは、一切ありえません。
僕が明日、それを証明してあげましょう。」
ベルモンドは、教師から予想外の発言が出たことへの
苛立ちを抑えつつ、あえて満面の笑みでそう答えた―
「そうか。健闘を祈るぞ。
では、この後は、明日に向けて各自、準備時間にしろ。
演習は明日の朝に開始する。
決して遅刻することのないように。では、解散。」
――――――――――――――――
―赤軍・陣営―
「やあ、勝利が確約されたみんな。
僕のことは知っているよね、士官学校始まって以来の天才、
この"シャルル・ベルモンド" を。
あの名家、ベルモンド家の人間さ。
僕が総大将になったからには、敗北など決してあり得ない。
目をつぶっていても勝てるだろうね。」
総大将・ベルモンドは、自信たっぷりげにそう言った。
その様子に、赤軍の生徒たちは、次々と口を開いた。
「やっぱベルモンドさんは、すげーよ。」
「この人になら、ついていこうって思っちゃうよな!」
「一体、どんな作戦があるんだ?
ベルモンドさんと演習できるなんて、
今から想像しただけでワクワクするぜ…」
それを聞いて、ベルモンドは高らかに笑い出した。
満面の笑みを浮かべ、自軍の生徒たちに語りかける―
「作戦…?そんなものは、このベルモンドには必要ない。
みんなは明日、僕の言う通り動けばいいだけ!分かった?」
赤軍の生徒たちは、より一層、目を輝かせた。
「じゃあ、軽く演習場に雪玉用の防御壁をいくつか。
それだけ作って今日は早めに解散しよう。
みんな、明日はよろしくね。」
――――――――――――――――
―青軍・陣営―
赤軍とは異なり、青軍では
もはや絶望的な雰囲気が軍を覆っていた―
「あぁ、早く明日が終わんねぇかな……めんどくせ」
「こんな負け試合やる意味ないよな………」
「相手はあのベルモンドさんだぜ……」
「士官学校始まって以来の天才。
俺らにはどうやったって勝ち目ねぇよ……」
「それに―」
皆の視線の先に、1人の姿があった。
彼の名は、"ナポレオン・ボナパルト"
一切、こちら側に顔を向けることなく、
背中を向けて、どうやら何かを描いている様子である。
「カツカツカツカツ……」
「あいつだろ…?うちの総大将って。
名前、なんだっけ…」
「たしか "ナポレオン・ボナパルト"だ。」
「俺、あいつが学校で話してるの見たことないよ。
いつも1人で本読んでばっかだし……」
「てか、何描いてるんだ……?
一応、俺たちもなんかした方がいいのかな……?」
痺れを切らした生徒の1人がナポレオンに話しかける。
「やあ、こんにちは。
君が僕たちの総大将だってね。同じチーム同士だ、
なんとか明日は頑張ろうじゃないか。
ところで、さっきから何を描いてるの?」
「カツカツカツカツ……」
その後、誰に話しかけられても、
ナポレオンは決してその手を止めることはなかった―
「なんだよ。こいつ、感じ悪いな。」
「もういいや、ほっとこうぜ。」
「俺らは俺らで、勝手に準備して、今日は解散しよう。」
―その時、どこからか、微かな声が聞こえた。
「……にも……るな。」
「今、誰かなんか言ったか?」
『 何もするな。 』
突然、口を開いたナポレオンに、
その場の皆が、驚きの表情を見せた―
「え?」
『何もするな。と言ったのだ。
準備はすべて我、1人で行う。
お前たちは、明日の朝ここに来るだけでいい。』
ナポレオンは、描く手を止めず、
皆に背中を向けたまま、淡々とそう言い切った。
「お、おう。じゃあ、…また明日な。」
「それじゃあ、全部…任せたぞ。」
動揺しながらも返す言葉のない生徒たち。
彼らはその日、何もすることなく解散した―
「カツカツカツカツ……」
――――――――――――――――
―次の日の朝―
学校に着いた生徒たちの前には、驚くべき光景があった―
皆が天を仰ぎ、顔を真っ青にしている。
「なんだよ………これ…」
「昨日までこんなものなかったよな……」
「うん……」
赤軍の総大将・ベルモンドも、この光景を見て
少し笑みを浮かべていた―
「………。面白い。少しは手応えありそうだ。」
皆が見つめる視線の先には、
雪で作られた巨大な要塞があった―
要塞の頂点に、ナポレオンの姿が見える。
―彼は昨日、この要塞の設計図をずっと描いていたのだ―
彼はそこから、自軍の生徒たちに
落ち着いた口調で命令を下す。
『青軍の諸君、これより本演習の作戦を伝える。
全員中へ入れ。なお、この要塞は全員が入っても
壊れることはない。』
それを聞いて、青軍の生徒たちは、みな要塞の中に入った。
――――――――――――――――
―赤軍・陣営―
その頃、赤軍・陣営では皆が口々に動揺を見せていた。
「なんだよ…あの巨大要塞……」
「てか、どうやって作ったんだ…! あんなもの。」
「あの要塞….、俺たちなんかに攻め落とせるのか……?」
事態の危険を察知した生徒の1人が焦った表情で
ベルモンドの元に駆け寄った―
「ベルモンドさん、ちょっとマズいですよ
皆、あの巨大要塞を前にしてビビってます。」
その知らせを聞いてベルモンドは、
皆の前に姿を現した。
彼は落ち着いた調子で、皆に語りかける。
「みんな、少し落ち着きたまえ。
正直、僕も、確かにあの巨大要塞には驚かされたよ。
でも、あれはハリボテさ。中は空洞。子ども騙しだよ。」
赤軍の生徒たちが、突然の静寂に包まれる―
彼らの真剣な眼差しを受け止めて、ベルモンドは続ける。
「我々が敗北することは決してない。
一体なぜか。それは、この総大将が、
僕 " シャルル・ベルモンド"だからさ。
今、この瞬間、君たちに勝利を約束しよう。」
この言葉を聞いて、赤軍の生徒たちは
先ほどまでの不安をすっかりと忘れ、自らを奮い立たせる。
「そうだよ!俺たちにはベルモンドさんがいる!」
「そうだ!負けるわけないじゃないか!」
「あんな巨大な要塞、見た目だけに違いない!」
その様子を見て、ベルモンドは笑みを浮かべた。
「そうそう、その勢いだよ。
この、"シャルル・ベルモンド" がやつらを
華麗に蹂躙する姿をお見せしようじゃないか―」
――――――――――――――――
―青軍・陣営(雪の要塞の中)―
『…………以上が、本作戦の内容だ。みな、よいか。』
「そ、そんな作戦……。本当にあいつに通用するのか。」
仲間の1人が不安そうに、そう呟いた。
『安心しろ。全て必ず成功する。』
そう断言したナポレオンの目には、一切の迷いはなかった。
その様子を見て感心した別の仲間が、また呟く。
「あぁ…了解した。しかしだ、ボナパルト。
こんなものをよく造れたな。一体どうしたんだ……」
一夜にして、演習場に巨大な雪の要塞。
皆からこの質問が出るのも、無理はなかった。
しかし、ナポレオンは冷静に答える。
『こんなものは、一晩あれば容易い。』
――――――――――――――――
両軍は、それぞれ配置につき、
今にも演習は始まるか。という緊張感がその場を覆っていた。
「両軍、準備は整ったか。
では、ルールを説明する。非常にシンプルだ。
基本的には、皆の知ってる雪合戦と同じ。
雪玉を当てられたやつは、退場しろ。
この演習の勝利条件は2パターンある。
1つ目は、敵軍の50人以上に雪玉を当てたとき。
2つ目は、敵軍の総大将に雪玉を当てたとき。
この2つのいずれかを先に達成したほうの勝利とする。」
―では、はじめ。
――――――――――――――――
―赤軍・陣営―
「ベルモンドさん、どう攻略しますか?あの要塞、
やつら全員、あの中から玉を投げてきますよ。」
そう尋ねる男に対し、ベルモンドは丁寧に語りかける。
「そうだね。あの要塞は、なかなかいいよ。
外から見える20名程度が絶えず雪玉を投げ、
残りの全員が中で雪玉をつくる。これは非常に効率的だ。」
「な、なるほど……では、やはり落とすのは難しい…と」
男は額にうっすらと汗を浮かべながら返事をした。
ベルモンドは、得意げな表情を浮かべ、さらに続ける。
「それこそが、奴らの"弱点"なのさ。
奴らは、狭い場所での籠城戦を強いられることになる。」
「ろ、籠城戦…ですか……。」
「籠城戦は本来、敵の侵入経路を1つに限定する必要がある。
この広い演習場では、それは不可能に決まってるさ。
だから我々は、広く陣を引き、あの要塞を取り囲む。
そして一気に、あの要塞に向かって攻め込むのだよ。」
「なるほど。…すると、敵は
どこから守ればいいか判断に迷う…と。
先ほどまで不安を浮かべていた男の瞳には、
今はもう、自信の火が灯っている―
「いいね。君、軍略のセンスあるんじゃない?
じゃあ、突入部隊の指揮は、君に任せることにするよ。
僕が合図を出したら、皆を一斉に突入させてね。
中に入ったら、奴らを一網打尽にするんだ。」
その言葉を聞いて、男は思わず笑みをこぼした。
「私ですか、ありがとうございます!
この任務、何に変えても達成してみせます。」
「さて、彼はどう出るかな。」
――――――――――――――――
教師から開始の合図が出るや否や、
赤軍の生徒たちが一目散に飛び出した。
とてつもない覇気を纏い、敵陣地へと侵攻していく。
「要塞を取り囲め!位置についたら
全方位から一斉に突入するぞ、!!
皆の者よ、雪玉の準備はいいか?
俺たちは中にいる奴ら、全員に当てるぞ!」
先ほど、ベルモンドと話していた男が、
突入部隊に対し、命令をした。
その声は要塞の中にまで響いてくる―
『―計算通りだ。』
椅子に座るナポレオンが独り言のように呟いた。
「全部隊、突入せよ!!!」
その掛け声と共に、
赤軍が全方位から要塞の中に、なだれ込んできた。
しかし、彼らはそこで衝撃的な光景を目にする。
「…………ってあれ。中に誰もいないが…」
あまりの出来事に、要塞の中は静寂に包まれた。
そのとき―
―コツンッ、コツンッ―
「だ、誰かが上から降りてくる……」
その場にいた全員に緊張が走る。
やがて、階段の上から降りてきた男は、
その場の皆に告げた―
『はじめまして、諸君。
我が名は"ナポレオン・ボナパルト"
今しがた、決着はついた。今すぐに撤退せよ。』
その言葉を聞いて、その場にいた全員に戦慄が走る―
「な…何を言ってるんだ貴様は!
みんな!こいつが総大将だ!こいつに雪玉を当てろ!」
ナポレオンは、その場で、ふぅ…と溜め息をつき、
赤軍の連中に呆れた表情を向けた。
『 "決着はついた" と言ったのだ。信じれぬのなら
外に出て、自分の目で確かめてみるがよい。』
ナポレオンに言われるがまま、外に出てみると、
そこには、目を疑うような光景があった―
ベルモンドを笑顔で取り囲む数十人の生徒―
雪にまみれた赤チームの総大将の姿。
その場にいた全員が目を丸くした。
それと同時に、次々と口走る―
「ベ…ベルモンドさん、もう雪を当てられて…。」
「…うそだ、あり得ない!」
「まだ始まってから、5分も経っていないじゃないか。」
「どうやって……。 貴様!、一体何をした!!」」
ナポレオンは、淡々とした口調で答える。
『貴様らの目は節穴か。目の前に答えがあるではないか。
その足元に空いている巨大な穴が見えぬのか。』
1階フロアの半分ほどを占める大きな穴―
この要塞の中には、この穴以外、一切のものがなかった。
「ま、まさか………俺たちの陣地まで………
ベルモンドさんのところまで
地面の下にトンネルを掘っていたというのか………。」
赤軍のリーダー格の男が、まだ信じられない
という表情を浮かべ、続けて言った。
「それも昨日だけで全て準備を……!!
つまり…この要塞は籠城戦のためのものではなく、
奇襲作戦を我々に知られないためのカモフラージュ。」
―そのとき、
「勝負あり。呆気なく、終わったようだな。
総大将ベルモンドに雪玉を当てたため、青チームの勝利。 俺も教師歴は長いが、こんなに早く決着がついたのは
初めて見たな、驚いたぞ。」
その一言を聞いて、
突然、恐ろしいほどの怒声をあげる男がいた―
「……こんなの不正だ!おかしい!
認められるはずがない!
この士官学校始まって以来の天才、
"シャルル・ベルモンド"が敗北など…!!」
その姿を見た、教師は侮蔑するような
視線をベルモンドに向けて言った。
「ベルモンド。哀れな奴め。
いいか?お前の"完敗"だ。
負けを認めない奴に、成長はない。」
「…………。」
その言葉を聞いて、ベルモンドは完全に言葉を失った。
その始終を見ていた皆が静寂に包まれたとき、
1人の男が高らかに宣言を始めた――
『皆のもの。よく聞け。
我が名は"ナポレオン・ボナパルト"
いずれ、このフランスの英雄となる人間だ。』
この演習の一件は、
今もなお、ナポレオンの才能を示す逸話として
人々のあいだで、語り継がれている―
――――――――――――――――
―こうして、演習で学校中の話題の人物となった
"ナポレオン・ボナパルト"は、その後、士官学校を首席で卒業し、フランス軍に入隊する。
フランス革命後の混乱の中、
彼は、数々の遠征で活躍し、
何十、何百もの戦いで、次々と勝利を収めていく―
その後、国民投票によって皇帝の座につき、
ヨーロッパ周辺諸国を力でねじ伏せ、支配下に置いた。
戦争の天才、"ナポレオン・ボナパルト"は、各国から
もはや、恐怖の対象とされた。
―しかしながら、
1812年、ロシア遠征にて、ナポレオンは大敗する。
この一件によって、ナポレオン軍は一気に弱体化し、
「無敵のナポレオン」のイメージは完全に崩壊していく。
そんな折を見計らって、周辺諸国が、
再び"反フランス同盟"を結成することとなった―
1813年 ライプツィヒの戦い
1815年 ワーテルローの戦い
この2つの戦いにおいて、
ナポレオン・ボナパルトは完全に敗北。
その後、絶海の孤島―セントヘレナ島―に流され、
この地で生涯を終えることとなる。
―――はずだった。
――――――――――――――――
―2025年 東京―
薄暗く狭い路地裏で、1人の外国人の男が倒れている。
『うっ…どこだ、ここは…………
腹が減って…今にも死にそうだ……。
我は、我は…なぜこんなところにいるのか…。
フランスに戻らねば…、我の愛するフランスへ………!!』




