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8話 初めての魔法成功!! そしてトイレ問題も解決!!

 強く思い浮かべる。言われた通り、俺は魔力のことを強く思い浮かべた。すると変化はすぐに起こって。


 さっきのカーライルさんの時のように、体全体がポカポカと温かくなったと思ったら、すぐにそれが胸に集まり始め。そしてやっぱり1分もしないうちに、胸の中心だけがポカポカと温かくなった。


「どうだ?」


「……さっき教えてもらった時みたいに、胸の中心がポカポカしています」


「俺が見た目でもそうだな。よし、じゃあ、考えるのをやめてみろ」


「はい」


 言われた通りにする俺。すると今度もすぐに、温かい魔力はスッと消えた。


「じゃあ、今から同じ事を、10回ほどやってみろ。それで1度も失敗しなければ、魔力を溜める事に関しては、これから使うような簡単な魔法については問題ないだろう」


「はい」


 すぐに練習を再開する俺。最初はカーライルさんの魔力の感じを、そして強く思い浮かべる事をしていたけれど。5回目以降は自分の魔力の事をしっかりと考えて、魔力を溜めるようにした。


 すると7回目あたりから、魔力を溜めるのが早くなったような気がしてきて。最後の練習を終える事には、明らかに最初と比べて、半分くらいの速さで魔力を溜められるようになった。


 と、夢中になって練習していたら、結局30回くらい練習していたよ。でもカーライルさんは何も言わずに、俺の練習に付き合ってくれていて。俺がハッと気がついてカーライルさん達をみれば、みんなうんうん頷いてくれたよ。


 どうやらカーライルさん達には、魔力の流れが見えるようで。俺の魔力の流れを見て、どんどん上達していたから、俺の気が済むまで待ってくれてらしい。

 ちなみに、魔力の流れが分かる人は少ないようで、これは基本魔法の分類ではなく、特別な能力だと。


「よし、それじゃあ次だ。台所の方へ行くぞ」


 カーライルさんに付いて台所に移動する俺。水魔法を練習するため、移動してきたんだ。


「基本水魔法は魔力を溜めた後、ウォーターと言うんだ。そうすると水の魔法が使える。これもイメージが大事になってくるぞ。魔法を使うには、魔力とイメージだ。まず俺が見せるから、その後やってみろ。……ウォーター」


 カーライルさんが手を流しの前に出し、ウォーターと唱えると、すぐに手の周りに水が溢れ出し、その水が手の前で丸い球体になった。それからバシャッと流しに流れる水。


「今のが基本の水魔法ウォーターだ。飲む事はもちろん、料理使ったり、洗い物に使ったり、トイレに使ったりと、いろんな事に使える。レベルが上がれば自由自在に操れるし、攻撃魔法としても使えつようになるぞ。他の魔法も同じだ。魔力が溜まったら、今の水魔法を思い浮かべて、ウォーターと言ってみろ」


「はい!!」


 いよいよ初めての魔法だ。しっかりと魔力を溜めて、しっかりと水魔法を思い浮かべよう!! 


 俺は魔力を溜める。……うん、ここまでは良い感じだぞ。しっかりと魔力が胸に溜まっている。よし、次は水だ。カーライルさんの水魔法を思い出して……。こんな感じか? これで良いよな? いや待てよ。もっとしっかり思い浮かべて、今だ!!


「ウォーター!!」


 大きな声で叫んでしまった俺。自分でもこんなに大きな声で叫ぶとは思っていなかった。最初の魔法で力が入ってしまったようだ。

 でも恥ずかしいなんて思っている暇はなかった。流しの前に出した手の周りには、1分程待っても水は出てこず。失敗してしまったと、少しガックリしながら手を引っ込めようとした。


 しかしその瞬間、今までが嘘のように。俺の手の周りに水が溢れ出し、水の球体になって、最終的にはバシャッと流しに水が流れた。


「よし!! 良くやったな!!」


 ガシガシとカーライルさんが、俺の頭を撫でてくれる。今の俺は30を超えた大人じゃなく、子供だからな。カーライルさんの行動はおかしくないんだけど。恥ずかしいような、何とも言えない気持ちに。でも嬉しいが気持ちがほぼしめていた。


 それに……。両親の事を思い出してしまったよ。俺が小さい頃に、事故で死んでしまった両親の事を。


「最初からできるなんて凄いじゃゃないか。まぁ、記憶を無くす前は使っていたとは思うが。それでも何も分からない今の状況で、成功させるのは凄いぞ!!」


「へへ、ありがとうございます!!」


「じゃあ、今日最後の練習だ。トイレへ行くぞ」


 トイレに行くと、そこには石でできている、洋式トイレの形に似ている物が置いてあり。使い方も地球とほぼ同じだった。水の流し方以外は。


 そう、トイレが終わったら、自分の水魔法で流して綺麗にするんだ。そのためカーライルさんは、最初に水魔法を教えてくれた。カーライルさんが後で綺麗にしても良かったけど、それだとなんか嫌だろう? と。


 うん、さすがにちょっとな。自分で綺麗にできるのなら、その方が良いに決まっている。後始末をさせるなんてダメだ。


 小の方は、匂いや汚れを消す石があるようで、それが流れた先に入っているから、問題はないと。綺麗になった物は、自然に少しずつ返されるらしい。


 そして大の方だけど。何と流れ着いた先には、石だけではなく魔獣のスライムがいて。そのスライム達が綺麗にしてくれるらしい。スライムはたくさん種類がいて、何でも食べる子達がいるから、その子達に任せていると。


 ただ、それ以外のきちんとした食事も、ちゃんとあげているらしい。お礼としてな。まさかそんな物まで消化するとは。

 そういえばライトノベルでも、排水処理をスライムがしている時があるから。それと同じ感じか。


 こうして俺の初魔法は成功し、最初のトイレ問題は解決したんだ。

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