四話
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よろしくお願いいたします!
(会ってやってと頼まれても、かなりシビアなお願いだな)
昨日頼まれた内容に対してそう感じざるをえない。
しかし、とてもお世話になった方であるのもファクトなため、その頼みを無下にする事も
したくない。
慈優はお茶を一気飲みする。
気晴らしにテレビを付けたい所だが、いつもの彼女が視界に映る事は避けたい。
ひと眠りしようと布団にも入ったが、中々寝付けない。
こうなったら、うんと散歩してぐっすり眠れるようにしてやろうと
昨日と同じく散歩に出た。
今日も気持ちいいくらい快晴だ。
散歩にするのにプロパーだ。昼食は今日も外食だなと判断した。
空腹になるまで歩いた後、近くのイタリアンの店に入った。
ミートスパを注文して、運ばれるのを待つ。
「よかったなーみゆ、髪切ってもらえて」
「ほんとね。可愛くなっちゃった」
「うん!みゆ、嬉しい!」
後ろの席で、楽しそうに会話する家族の姿があった。微笑ましいものだ。
「それにしても、あの人の腕前は流石だな」
「私もあの人に是非今度散髪してほしいわ」
「れいかちゃんはかわいくてやさしくてみゆだいすき!」
「っ!」
吐き気を催した。思わず手で口を押える。
(嘘だろ、まさかこんな所で)
「それにしても、レイカさんが言っていた大切な人とは誰なんだろうな」
「私も気になる。本人は自分にとっては大切な人で想いを寄せている人との事だけどね」
「どんなひとなんだろー?」
もう駄目だと思い、慈優は店員に注文をキャンセルしてお詫びを申し終えると
店を逃げるように出た。
(くそっ、これじゃあまるで呪いじゃないか)
思わず、その場で吐いた。
通行人が気遣わしい目線を向けていた。
「慈優ちゃん!」
(この声は)
顏を上げると、そこには昨日会ったおばさんがこちらに向かって走っていた。
ありがとうございました!
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