名簿確認
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うどんを食べ終えた私たちは、学校に到着した。
靴箱は出席番号順になっていたので、私は一番端の靴箱を迷わず開ける。
まだ新しい上履きに足を通して、二人で職員室に行く。
まだ昼休みの途中だからほとんどの教師が職員室にいた。
担任に体調が治ったので、午後から授業を受けると伝える。担任は『じゃあ遅刻にしておくわね』と言ってくれた。
お礼を言った後、奥にある教頭の机ヘと向かう。
この学校では、各クラスでその日の出席状況を朝のHRで確認した担任が、HR後教頭に出席簿を提出する仕組みがある。
だから教頭に聞けば、幸に迫った男子が見つかるかもしれない。
全てのクラスの出席簿を見せてほしいというおかしなお願いに、教頭は応えてくれた。
二人で手分けして確認していくが、今日学校を休んだ男子生徒はいない。
ちなみに出席簿には、名前の隣に性別が書いてある。
同じ学校ならすぐ解決するかと思っていたが、空振りに終わった。
もうすぐ昼休みが終わるので、モヤモヤしつつも、幸と教室ヘ向かった。
教室に入ると一気に懐かしさが押し寄せてくる。
懐かしい顔ぶれ、懐かしい授業、懐かしい雰囲気――。
当時はつまらなくてしょうがなかったが、今はこうして座って授業を受けているだけでも、なんだかワクワクしている。
社会人になってから、学生の頃がいかに楽だったか実感した。
50分勉強したら必ず10分休憩が与えられるし、3時半頃には下校していた。会社では毎日残業していたので、学生を羨ましく思ったものだ。
勉強ももう少し頑張ってみよう。私は決意する。けどまずは――。
チラッと前の席の幸を見る。
幸のストーカー(仮)の件を解決しなければ。それに八代のこともどうにかしないといけない。
けれど――ストーカー(仮)が、この学校の生徒じゃないなら一体どこの誰なのだろう。
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