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殺してくれてありがとう  作者: 絶対完結させるマン


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32/165

マミからのお願い

 「若葉さん、2組の人が呼んでるよ」

 昼休み。クラスメイトに言われて入り口を見ると、マミが顔を出し、こちらを見て手招きしていた。

 私は、幸に「行ってくる」と告げて、マミへと駆け寄る。

 去り際にチラリと幸に視線を向けると、マミを見つめて表情を固くしていた。




 私は、マミに屋上に連れて行かれた。残暑がきついからか、外で昼食をとる生徒は一人もいない。


 「ごめんねー。食べてるとこだったのに」

 マミがまったく悪いと思ってなさそうに言う。

 「別に。それで用件って?」

 声が冷たくなりすぎないよう意識する。


 「あ、そうそう。ちょっと頼みごとがあるんだけどー」

 マミが笑いながら、クルッと振り返る。

 「お祭りの日さー助けてくれた人いたじゃん?」

 八代のことか。私は「うん」と返す。


 「若葉さんの彼氏なの?」

 「違う」

 「じゃただの友達なんだ?」

 「そうだよ」

 もしかして、マミは。

 「お礼がしたいから紹介してくれないかな?」

 私が予想していたセリフを吐くマミ。


 自然と顔をしかめていたのかもしれない。彼女が胸の前で手を振り、言う。


 「ああ、変な意味じゃなくてさ、恩人だし改めて挨拶したいじゃん?」

 マミはすでに警察署で、八代に助けてもらったお礼を言ったらしい。

 「やっぱさ、菓子折りとか必要かなーって」


 確かにあのままじゃマミも殺されていたかもしれないし、礼を尽くしたい気持ちはわかる。であれば、断るのも無粋なので、大人しく頷いた。


 「わかった。訊いてみるよ」

 「ありがと! ねぇその人って名前なんていうの?」

 「八代襟人」

 「襟人さんかー。知的な名前だね!」

 マミは、夢見るような表情で、笑っていた。

 その姿を見て、なんだか胸のあたりがむかむかするような、嫌な感じがした。

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