立ち上がれ〜刀をもて〜
腫れた目蓋に 虚な瞳
視線の先には 行き交う人の群れ
遠くを見つめるその先に 人影が留まることはなく
戦いに敗れた兵士のように 感情も無い
大義名分を掲げていたはずが
今となっては 泡と化す
これから どしようかと 考える気力もない
ひとりなら きっと そのまま 息絶えただろう
ただ 彼には帰る場所があった
それは雨風しのげる場所ではなく
魂の帰る場所
しばらく 廃人と化した身体
逃げる事も 死を迎える度胸もない
遠くへ行きたいといつも 考えてみても無駄で
現実の定めからは一歩も引けず 檻の中
大義名分を掲げていたはずが
今となっては 泡と化す
これから どしようかと 考える気力もない
ひとりなら きっと そのまま 息絶えただろう
ただ 彼には刀があった
それは人を斬る刀ではなく
魂の宿る刀
刀を抜け
何度闘いに敗れようが
刀は少しずつ 力を取り戻し 魂を宿す
刀を振れ
彼が彼でいる証拠だ
さあ 檻の中から出るとき
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