表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

第二話

 オオチ達、祈祷師の数はおおよそ二十人程度。それと比較すると水のソウル達は遥かに多かった。

 ソウル達の大きさは様々だが、その中から取り分け大きなソウルが元凶となることが多い。


 縦横無尽に動き回るソウルは、山で土砂崩れを起こしたり、川を氾濫させたりと、暴れ回っている。

 その力はとても強力だった。


 しかし、ソウル達の動きは遅く、二人一組の祈祷師たちに次々と撃破されていく。

 オオチ達もまた、水の巨人と戦っていた。


 巨人の繰り出す攻撃を大きく躱すヒラヤマは、その勢いのままに弧を描いて突進する。そして、右手に持つ剣で、巨人の足を斬りつけた。


 グオオオオオオオっ! と大きく悶える巨人はバランスを崩し、そこをオオチが追撃する。

 オオチの持つ斧で首を切断すると、大動脈を切られた人間のように、そこから水が溢れ出て、そのままソウルは消滅した。


 ランク2のヒラヤマは、決定打を打つことが難しいため、先ほどのようにオオチのサポートに回る。

 そして、ランク3のオオチがトドメを刺すのだ。


 その繰り返しで次々とソウル達を撃破していくが、次の瞬間。

 巨人にトドメを刺そうと、大きく飛び上がり斧を構えるオオチに、ヒラヤマの声が届く。


「オオチさん! 後ろ!」

 その声に振り返ると、もう一体の巨人が頭上で手を組み、振り下ろそうとしているところだった。

 オオチは身体を翻し、満を持して斧でその攻撃を防ごうとするが、重傷は免れないだろう。


 祈祷師の戦いでも数はものをいう。二対一の有利な場面を築くことがセオリーだが、イレギュラーも有り得る。

 振り下ろされた両腕がオオチと接触するその瞬間、割って入る影があった。


 それは、オオチの新人時代に世話係として任命されたオンジという男。彼は片手でその攻撃をいなして、左手に持つ銃で三発、巨人の顔面に撃ち込んだ。


「僕の可愛い後輩に手出しはさせないよ」

 そう言って、軽々と巨人を倒すオンジは、続けてヒラヤマがバランスを崩した巨人も撃破する。


 このオンジという男こそ、ジャップ・ファム大幣支部のエースであり、最強の一角であるランク7なのだ。

 普段は頼りないこの男だが、ソウルとの戦いでは無類の強さを誇る。

 しかし、そんな彼も巨人の高威力な攻撃に、身体が応えたようだ。彼の右腕を見ると、大きくヒビが入っていた。


「オオチちゃん大丈夫?」

 と、心配させまいと明るく振る舞うオンジに、オオチは心を痛める。

「私は大丈夫ですけど、先輩の腕が……」

 心配するオオチを宥めるように、ニコリと笑って頭を撫でる。


「こんぐらい心配ないから、次行くよ」

 そう言ってオンジは、次のソウルの撃破へと向かった。


 こうしてはいられないと、続けてヒラヤマとオオチもその場を後にした。

愚作【祈祷師見習いと神の末裔】もご一読頂けたら嬉しいです。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ