表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セカンドファイア  作者: ぐれこりん。
17/85

第16話 幽霊とは?

幽霊とはなんだ?魂。宗教的観念。抽象的概念。取り留めのないものとして、存在しないものとして文章に表すことが出来る。見える人、見えない人。世間一般的には見えない人が大多数であり、その存在を今現在も肯定されていない。


花丸

「ふぅ…。ここが精神世界か…?」


山茶花

『花丸教授。聞こえますか?』


花丸

「ああ、聞こえるぜ」


山茶花

『良かった。今現在第一層です。第二層を目指してどんどん下へ下へ向かってください』


花丸

「他の連中は…?」


山茶花

『皆様第一層にダイブしたはずなのですが、他の人達は見当たらないですね』


花丸は辺りを見回す。ここは日本の街の真ん中だろうか。ビルが立ち並んでいる。


花丸

「おいおい。本当にここはモーセの精神世界なのか…?」


山茶花

『そのはずですが崩柴氏の記憶も混在している様です。ビルは何を象徴しているのでしょうかね』


花丸

「分からないね…。精神科じゃねぇからよ」


山茶花

『まぁそうですね。他の被験者は…、あ!そこへ1人やってきます!』


花丸

「うん?」


ドシンドシンと地鳴りがなりビルの間から誰かがやってくる。


「たすけてくれー!!」


沢山の人々が逃げ回っている。


花丸

「あれは…」


山茶花

『あの方は桃空大(ももかなた)氏と黒百合涙(くろゆりるい)氏のペアですね。ホストは桃氏でスコープは黒百合氏です』


花丸

「で、デカい…」


和服のおカッパの女の子が巨人になっている。巨人は逃げ回る人を数人捕まえると【口に放り込んで食べた。】ボリボリと咀嚼音が聞こえる。


山茶花

『今桃氏とコンタクトを取ってみます。そこで待っていてください』


花丸

「誤って踏み潰されたりしないか…?」


桃の進行が止まる。しばらくすると花丸の姿を確認する。


「あんたは…。スコープの開発者の」


花丸

「ああそうだ。協力して下を目指そう」


「わかった。そこから動くなよ」


花丸

「うん?」


桃は突然花丸を【踏みつぶそうとした。】花丸は慌てて回避する。


花丸

「…!?何しやがる!!」


「避けやがったか」


花丸

「おい!協力する気はないのか!?」


「あんたは倉柿を救うつもりなんだろう?俺にはそのつもりは無い。この力でアカシックレコードを目指す」


花丸

「…そうか。別に強制する気は無い。僕はあんたに危害は加えないから僕に危害を加えてくれるな」


花丸は立ち去ろうとする。が、


桃は花丸を蹴り飛ばそうとした。花丸は追撃を予期したのかビルの中へ飛び込む。


花丸

「あいつどういうつもりだ…!?なぜ殺そうとしてくる」


山茶花から連絡が入る。


山茶花

『すいません花丸教授…。桃氏は協力するつもりは無いようです』


花丸

「だからって僕を攻撃するのは筋違いじゃないか?あいつはどういうつもりなんだ…?」


山茶花

『どうやら他の被験者達より先にアカシックレコードを目指すつもりみたいです』


花丸

「いや、別にそれはいい。だが邪魔されるのは本意じゃねぇ。あいつらを目覚めさせて注意しろよ!」


山茶花

『それが出来ないんです…。戻そうとすると自分の上からロープが降ってきます。それを掴んでもらわないと戻れません。無理やり戻そうとすると先程の倉柿氏のようにホスト側の精神が取り残されたり強烈なダメージを受ける恐れがあります。桃氏を戻すには…撃破するしかありません』


花丸

「あんなでっかいやつをどうやって倒せって言うんだよ…。30mはあるぞ…?」


山茶花

『特撮の巨大ヒーローのようですね。私達も被験者を傷つけるのは本意じゃありません。撃破すれば相手を気絶させることができます。そうすることによってロープを巻き付けて現実世界へ戻す事が可能です。気絶してしまったら復帰するのに何時間もかかってしまうでしょうね…』


花丸

「安易なPvPは受けないぞ…?」


山茶花

『そう言われても…。まずは逃げるしかありませんね』


花丸

「マジかよ…!地下へ進むにはどこへ行けばいい…!?」


山茶花

『今座標を特定中です。また後程連絡致します。それでは…』


花丸はビルの中へ逃げ込む。すると人間大の桃も中へ入ってきた。


「なぁ。花丸先生ー。幽霊って何かしってるか?」


幼子の声で花丸に問いかける。


花丸

「…」


呼び掛けに答えればやられてしまう。じっといきを潜める。


「幽霊はな。記憶を保持した熱エネルギー体だ。人は死ねば幽霊になる。そして幽霊になった記憶は何処にゆくのか?アカシックレコードだ。地球が生まれてから生命が誕生し、死にゆく熱エネルギー体は全て…アカシックレコードへ向かう」


花丸

「…」


「この世界では他者から熱エネルギー体を奪い進んでいかなくてはならない。花丸先生。あんたの【熱】を俺にくれよ」


花丸

「こいつ…。はなから殺す気で探し回っていたんだ…。まずいな…。お、おい!さっき食べたやつらはなんなんだ!?」


「うん?言ったじゃないか。【幽霊だよ。】ここには沢山いるんだ。幽霊が」


桃は声がする方へ走りよってくる。


花丸

「…知りたいことは沢山あるがまずはコイツを何とか撒かないとな…」


花丸は消化器を思いっきり吹き付けると桃に投げつけ上の階へ逃亡した。


「逃げるつもりだな…。逃がさない。【先生を食ってやる】」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ