■プロローグ
初めまして!❁ゆずはる❁です。初投稿な上、執筆経験すらない拙い作品ではありますが楽しんでいただけたら幸いです。それではごゆっくりどうぞ。
※この作品にはショッキングな表現、または鬱な展開があります。ご覧の際は注意してお読みください。
.......遠くで音が聞こえる。いや、近くか...?それすらも分からない複数の場所から爆発音が轟く。それは、先程私たちが仕掛けた爆弾が爆発した音に他ならない。爆発音が響く度、血肉が引き裂かれるような音が聞こえる。断末魔や悲鳴を上げる隙も与えてくれないその恐ろしい武器は、複数の敵を.......『奴ら』を木っ端微塵に粉砕した。ただその武器は、カウントダウンがゼロになるまでその場で静かにその時を待っているだけというのに。規則正しく時間通りに命を吹き飛ばす。
私は蹲り、思わず耳を塞ぐ。先程から冷や汗と動悸が止まらない。肌に張り付いたセーラー服の感触が気持ち悪い。耳で塞いでも爆音と振動、爆風は伝わってくる。やがてそれらが収まり、私はそっと耳から手を離した。
「終わったぞ。あの敵どもは全滅した。一人残らずな」
舌っ足らずな、しかし落ち着いた声が聞こえた。
私がその声のする方に顔を向ける。そこには、まだ幼い男の子が冷静な視線をこちらに向けながら堂々と仁王立ちしていた。
「終わっ.......た?」
私は震える声で彼に話しかける。
「ああ。でも油断はするなよ。まだ我々はゲームでいう『ステージ1』をクリアしただけだ。これからまだ戦う羽目になる。まぁ、何ステージあるか分からないけどな」
「あ.......ああ」
私は彼の落ち着き払った態度に困惑しつつも、尊敬の念を抱いていた。彼はまだ幼稚園児だというのに大人びていて、冷静沈着。頭もキレて、運動神経もいい。まさに『天才』だった。私はこの『天才幼稚園児』と生きるか死ぬかのサバイバルをしていた。
なぜこんなことになってしまったのだろう。そしてこの世界はどうしてこんなに壊れてしまったのだろう。先程まで普通だったではないか。友達も、家族も。私は今朝のことを思い出して鼻の奥がツンと痛くなった。目頭が熱い。私はメガネを外して、とめどなく溢れる涙をグッと拭った。




