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8/27【キャメロン・ミルストーンズ、サトラレる。 ※今回は読了15分と長めです】

作者: Haika

<今日の作者のひとこと>

今日の作者のひとこと、その元ネタである世界の教養365の当該ページが「虹」なので、このシリーズに登場する虹色蝶使い、アゲハについて軽くプロフィールを載せておきますね。

ついにきました! 本シリーズ登場回数 最多記録保持者!


名前:清水蝶葉(Ageha Shimizu/Tales Chiari)

生年月日:1993/4/1

出身地:新潟県柏崎市

身長:148cm

体重:45kg

血液型:O

利き手:クロドミ(右6:左4)

きょうだい:清水刃&清水海斗(双子の弟たち)、星野蛍(妹)

次元:穴場

階級:司祭/救世主(虹色蝶)

プライム在籍校(学年):長岡新興分校(1)

テーマ、舞台:

毒ヘビ

お題:

アザラシ

カッター

スナック菓子




キャミ「こらこら! 他の皆も食べたいんだから、自分ばっかり独り占めするなジェリー。一体、どうしたんだよ? ここ数日ずっとその調子だぞ?」

ジェリー『シャー!』

キャミ(うぅっ…! はぁ。何かよく分からないけど、何がそんなに不満なんだこの()()()は。他の召喚獣に対しても、ご飯の量とか品質とか、皆平等にしているはずなのに)

ジェリー『ギチギチギチギチギチギチ…!!』

キャミ(だけど有難い事に、他の召喚獣たちはこんなジェリーも誰1人とも咎めず、たまに慰めてくれるんだよな。まったく、どれだけ皆に気を遣わせている事なのだか)

ジェリー『シュルルルルル…!』

キャミ「あ! ジェリー、どこに行くんだよ!? おい!!」

………。

キャミ(なんだよアイツ、しまいには食べもしないで壁の奥へと逃げやがったな! まったく、反抗期の家出少年かよ)

ルシフェル『グルルル…』

キャミ「あぁ。ごめんなルシフェル、みんな。アイツの我儘に付き合わせてしまって」


ガチャ

キャミ(けっきょく、ドロップ化させられた召喚獣は6匹。ジェリーは何処か行っちまったけど、まぁどうせハルカストンネルのどこかにいるんだろ。彼女の所にでも行ったかな? さてと。俺はこの後、紫法院へいってリリーと会わなきゃなんだ。先を急ぐか)

………。

ジェリー『―――』

ピカッ!!


~コスモタウン市街地~

キャミ(お! この()()()()のぬいぐるみ、確か今コスモタウンで流行りのやつだったか。確か、宗のやつからそう教えてもらったんだ。リリー、喜ぶかな? こういうの)

一般人1「?」

一般人2「??」

キャミ(ん? 何か人の視線を感じるけど… まぁいいや。あ、序でだからスッポン料理の店でも予約しておくか! ちょうど今夜は予定あいてるし、リリーも準備は万端なはず♪)

一般人3「!? ねぇねぇ美咲、聞いた!? あれって今夜はそういう事、だよね?」

一般人4「うん、そうだよ絶対! てゆうかヤバ、独り言だだ漏れだし。うわぁ恥ずかし」

キャミ(へ!? え、誰か俺と同じようなこと口に出してるヤツがいたのか? ん??)

 キョロキョロ

キャミ(…よく分からないや。まぁ居たんだろうな、口じゃ言えない事を口にだしてるヤツが。夏最後のデート日和なのだし、当然だな。まぁ、俺は間違っても口には出さないけど)

一般人5「…あちゃ~。君、今の聞いたかね? あの少年の言葉」

一般人6「え? は、はい。つい聞いてしまいましたが… 凄いですね。声に出てましたね」


~紫法院~

イングリッド「…って、また今日も、だ。もう、いい加減そいつと絶交しようか考えてるよ」

ミネルヴァ「そう。私だったらそんな人、もうとっくに絶交してるわね」

イングリッド「やっぱそうするか」

キャミ「あ。やっほー」

イングリッド「おうキャミか。久々だな、紫法院のキャンパスで会うの」

ミネルヴァ「ご無沙汰ぁ」

キャミ「こちらこそ」――夫婦生活はご無沙汰してなさそうだけどな。

イングリッド「え?」

ミネルヴァ「へ!?」

キャミ「ん? 2人ともどうした?? 俺の顔に何かついてるか?」

イングリッド「え!? あ、いや」

ミネルヴァ「なんでもない、けど…」

キャミ(なんだよ、変な反応してくるなぁ2人とも! さっき市街地でアザラシ買った時も妙に町の人達の視線を感じたし、何かついてるならついてるってハッキリ言ってくれ!)

ミネルヴァ「…」

イングリッド「あ! そうだ。キャミ、すぐ戻るからちょっとここで待っててくれないか?」

キャミ「え? いいけど」――早くリリーに会いたいんだけど、しょうがないなぁ。

スタスタスタ…

イングリッド「なぁさやか。あいつ、口が喋ってないのに本音がだだ漏れになってないか?」

ミネルヴァ「えぇ、確かに。私にもハッキリ聞こえたし、その… なんていうか、私たちの脳内に直接ひびいている感じ?」

イングリッド「あれはもしや、『サトラレ』か…?」

ミネルヴァ「そうかもしれない。でも、本人は気づいていないみたいね」

イングリッド「誰かから呪いでもかけられたのか? ありゃ。まずいな、取り返しのつかない事になる前に、本人に教えてやらないと…」

ミネルヴァ「ダメよ! まって」

イングリッド「は!? なんで!」

ミネルヴァ「ドラマのサトラレがどういうものか知らないの!? サトラレ本人に、自分が人から心を読まれている事を知ってしまうと、その人は死んでしまうのよ!」

イングリッド「おいおい、それはあくまで“ドラマ”の中の話だろ?」

ミネルヴァ「それでも! 実際に、キャミの命がそうなってしまう可能性もなくはないじゃない。ここはプライム次元なんですから、何が起こってもおかしくないわ」

イングリッド「はぁ? じゃあ、一体どうすりゃ良いんだよ!?」

ミネルヴァ「私たちで彼の呪いを解く方法を探して、それまでの間に彼が人からサトラレている事がばれないようにフォローするしかない! 他の招待客や、ここの生徒たちにも、この事を伝えて皆で注意喚起をうながすの」

イングリッド「いや、できるのかよ!? 俺達にそんな事が!」

キャミ(…2人とも、さっきから遠く離れた所で一体何の話をしているんだ? はぁー、退屈だからその間にリリーとNINEでもしてよ)

ミネルヴァ「…やるしかないわよ! キャミを、あと彼とも魂を共有しているマイキさんの命を守るためにも!」

イングリッド「は! そっか、あいつ1人だけの身体じゃないんだ。マイキさんに至っては、元いる世界でお腹の中に新しい命まで授かっている…!」

ミネルヴァ「ねぇちょっとまって。キャミ1人だけの命だったら、助けなかったとでも?」

イングリッド「な! 何もそんなことは言ってないだろ!?」

キャミ「なぁ。さっきから何コソコソ話しているか知らないけど、もう俺時間ないからさっさとリリーの所へ行っても良いか?」

イングリッド「え!? あ、あぁー! じつは俺達も丁度いくところだったんだ!」

ミネルヴァ「うん、そうそう私も! 丁度リリーに用事があって、それでね?」

キャミ「そうなのか。でも、なんだよ? 2人ともさっきから様子が変だぞ?」

ミネルヴァ「ま、まさか! 気のせいじゃないかしら? うん、気のせい気のせい」

イングリッド「あぁそうだ気のせいだ。てゆうかお前、ちょっと疲れてるんじゃないか? 顔色がよろしくないと思ってなぁ。あ、あはははは…」

キャミ「???」


~2年の教室~

キャミ「やっほー」

リリー「あ! キャミ。こうして紫法院で会うのは久しぶりですね♪」

ローズ「どうも」

キャミ「え? あぁ、そうだな」――くそ! こんな時にあの兄貴ジャマくせー。

ローズ「ん…!?」

イングリッド「げっ! ちょ、ちょっとキャミ! 教室へ入る前に廊下で待ってくれ!」

キャミ「は? なんで」

イングリッド「お前、その… リリーに会いに来たんだよな!? 態々あのハーバーから!」

キャミ「そうだけど、なに?」

イングリッド「お前、こういうのは久々なんだから、ちょっと心の準備が必要だぞ? ここで、一旦深呼吸するんだ。いいか? まずは心を『無』にしろ。話はそれからだ」

キャミ「はぁ?」


ミネルヴァ「…という事なの。だから、ここは気づいていないフリでお願い!」

リリー「なるほど。分かりました、そうしておきます」

ローズ「ほう? この僕が『ジャマ』だとはねぇ」

ミネルヴァ「ロ、ローズ落ち着いて…!? さっきのはあくまで“心の声”であって、本気で口に出して言っているわけじゃないから。本人に悪気はないの…!」

キャミ「おまたせ~。皆、何さっきからコソコソ話してるんだ? 俺に内緒で()()()()()()でも食ってんのか?」

ミネルヴァ「え!? え~と、何でも?」

リリー「は、はい。なんでもw」

ローズ「…はぁー」

キャミ(あれ? ローズ、今日なんかイラついてる??)

ローズ(ムカぁ!)

リリー「壮兄ぃ? だいじょうぶだから♪ ね?」

キャミ「そうそう。リリーにこの前勧めてもらった本、これから返しに行こうと思って」

リリー「あ、もってきてたんですね? 長旅お疲れ様です」

キャミ(うん、これだ。リリーのこの笑顔だけが癒しだ、今日は。イーシャの頃もよかったけど、今はもっと愛嬌があって良い。抱き心地も良いし)

リリー「きゃ」

ひまわり組「「え!?」」

ローズ「は?」

生徒A「え? いま誰がなんて言った!?」

生徒B「うん、俺も聞こえたわw なんか、抱き心t…」

イングリッド「あ˝ぁぁぁぁー!!! そういえば、今日学校に持っていくもので1個大事なものを忘れてきたんだったぁぁぁぁーー!!!」

ミネルヴァ「ちょ、ヒデ君きゅうに大声出さないで! うるさい!!」

イングリッド「だ、だってぇー!!」

リリー「キャミ。ここじゃ大勢いてなんですから、私とちょっと場所を移動しましょうか?」

キャミ「え? あぁ、そうしよう。実は、さっきからそうしたかったんだ」

ひまわり組「「お!?」」

スタスタスタスタ

ひまわり組「「リリー、ナイスフォロー…!」」

ローズ「チッ。どこがだよ」


~体育館裏~

リリー「なんですか? 大事な話って」

キャミ「あぁ、それなんだけど…」


イングリッド「なぁコレ、めちゃくちゃ緊張するんだが」

ミネルヴァ「えぇ、私もよ。どうしてかしら、こんなのいつもの事なのに」

ローズ「じーっ」

イングリッド「え!? いやお前なんで付いてきたんだよ! 余計自分の心抉られるぞ!」


キャミ(○○○したい…! とは、流石にすぐには言わないけど、どうしよう。その欲が)

リリー「っ…///!?」

キャミ「じつは、リリーにこれを渡したくて。気に入ってもらえるかは分からないんだけど」

スッ

リリー「え? これって…! アザラシのぬいぐるみじゃないですか!」

キャミ「うん。リリー、いつか部屋に飾ってみようかな? って言ってたのを思い出して」

リリー「あ。覚えていたのですね、あの時のこと。確か私、ぬいぐるみは本当に自分の部屋に必要なのか自問自答して、結局買わない事にしたんでしたっけ。やだ、照れちゃうなぁ」

キャミ「いいだろ、こういうのも。女の子らしくて」――よし、これで俺の好感度が上がるといいな。まぁ、でもリリーは前世の記憶があるから、そんな急に俺の事嫌いにならないか。

リリー(うわぁ… 嫌いじゃなくても、こうして本音が聞こえると萎えるってこういう事か)


イングリッド「すげぇ自信家だなアイツ。たく、これだからイケメンは」

ミネルヴァ「ねぇ、ソレただの妬みよね?」

ローズ「…」


キャミ「それで、今日の放課後なんだけど」――はやく○○たいよ! 今日くらいは沢山。

リリー「ドキッ…//! な、なんですか?」

キャミ「たまには、デートしないか? ここ数日、ずっと色々あって出来なかっただろ」――○とか、○とか、○とか。とにかく○がだ!

リリー(えーやばい。この人、相当○○○○てる。どうしよう…///)


イングリッド「ほわ˝ぁー…! ダメダメダメダメ! 生々しいから止めてくれぇ…!!」

ミネルヴァ「あーもう! 聞いてるこっちが恥ずかしくなってくるから止めてぇー!」

沸々沸々・・・

ローズ「へぇ? 僕の妹をそんな目で見ていたのか。あの赤毛の悪魔が」

イングリッド「て、うぉーいローズ落ち着けぇ! 本音と建前ってのがあるんだ早まるな!」

ミネルヴァ「てゆうか何時から()()()()持ってきてたの!? 取り出さないで怖いから!」

ローズ「あのヤロウ…! 彼女いない歴24年の僕を差し置いて、よくもまぁノウノウと!」

イングリッド「え、そうだったの!?」

ミネルヴァ「てゆうかそれ、ただの妬みよね? いやいやいや、今はとにかく落ち着いて!」


~放課後~

リリー「え? マイキさん、今日学校を休んだのですか?」

キャミ「あぁ。なんでも、朝からなぜか体がだるいらしい。まぁ、熱はないらしいんだけど」

リリー「そうなんですね…」

 シュルルルルル

キャミ「ん? あぁ、ジェリーか。なんだ、こんな所でブラブラしてたのかよ。意外だな」――ローズの次はこれか。あ˝ーいつまで経ってもリリーと2人きりのデートができねぇ!

ジェリー『ギチギチギチギチギチギチ…!』

リリー「う~ん、なんかイラついているというか、悔しそうな顔をしていますね。何かあったのでしょうか?」

キャミ「さぁな。というかここ最近、ずっとこの調子なんだ。まるで反抗期の男子だよ」

ジェリー『シャー!』

リリー「ん? ちょっと待ってください、何か理由があるはずですよ。なになに、どうしたのジェリー? 良かったらお姉さんが聞いてあげようか?」

ジェリー『…』

キャミ「え? おい何だよ、急に大人しくなって」――まったく。面倒臭いけど、リリーにまで迷惑はかけられないし、ちょっとこの蛇の心を覗いてみるか。

………。

キャミ「ん? おいジェリー、お前まさか… あの彼女にフラれたのか?」――え、可哀想!

ジェリー『!!』


イングリッド「え? 何だこの急展開は?」

ミネルヴァ「てゆうか私たち、いつの間にかここまで後をついてきていたのね。暇かしら」

ローズ「う、うぅぅ… グスン! うあぁぁ~!!」

イングリッド「て、ローズお前まだ付いてきていたのかよ!? て、まさか泣いてる!?」

ミネルヴァ「情緒不安定すぎるでしょこの人」


ジェリー『シュ… グスン』

キャミ「そうだったのか。だから、ここ数日ずっとあんな調子だったんだな。ごめんな、今日まで気づいてやれなくて」――リリーのお蔭で気がついたわ。何か、申し訳ないなぁ。

ポト、ポト。

キャミ「ほら、泣くなって。よし、そしたら今日は目一杯良いもの食わせてやるから。な?」――序でに予約しておいたスッポン料理を一緒に!

ジェリー『…』

スーッ

リリー「あれ? 今なんか、キャミから青い霊気みたいなのを吸いませんでした? この子」

キャミ「え? そうなのか??」

………。

リリー「あら? あの、キャミ? 今、何か違う事を考えていません??」

キャミ「え? いや、何も」

リリー「そうなんですか。えーと…?」


イングリッド「あれ? キャミの心が聞こえなくなった…?」

ミネルヴァ「えぇ、確かに。あ、まさか今回の呪いの原因って…」

………。

ひまわり組「「ジェリー!?」」

イングリッド「あ、だからアイツ、キャミから霊気を吸いとったのか!?」

ミネルヴァ「そういう事じゃない? ジェリーがいつまで経っても自分の失恋に気づかない飼い主に焼きもちを妬いて、あんなサトラレの呪いをかけたってことじゃ…」

………。

ひまわり組「「良かったぁ~!!」」

ミネルヴァ「もう! 一時期、どうなる事かと思ったわ」

イングリッド「ホントだよ! まったく、人騒がせな事をしやがる毒ヘビだな」

ミネルヴァ「でも、これで呪いが解けたのね。はぁー、やっと心置きなく帰れる」

イングリッド「あぁ。本当に… あれ? ローズバード、いつの間にいなくなってる!?」

ミネルヴァ「あぁ。あの人なら、泣き叫んで何処か走って行っちゃったわよ」

イングリッド「え、いつの間にだよ本当に? だいじょうぶか? あいつ1人にして」

ミネルヴァ「まぁ、大丈夫じゃない? さて、私たちもそろそろ帰りましょうか」


リリー「あの… キャミ?」

キャミ「ん、どうした?」

リリー「私、その… 覚悟、できてますので」

キャミ「ん? 覚悟って、何の?」

リリー「あ… ううん! こっちの話です。今日はジェリーも連れて沢山デートしましょ♪」

キャミ「ん? あぁ、そうしよう」

ジェリー『シュルルルルル~♪』


【完】

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