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鐘の音

ギャーオギャーギャー


桃色の鐘の音が、疲れ果てた緑色の狸のヒゲを揺らしている。

頭を抱えたてるてる坊主が黄金色の涎を垂らしながらその鐘を叩く。


ギャーオギャー...


鐘は鳴り止んだ。赤いさざなみを鎮めるため

鐘は鳴り損ねた。灰色のカーボンフィルムに包まれて


黄金色の蜜は静かに餌を喰む

桃色に熟れた果実を腐らせながら

誰にも気づかれぬように、悟られぬように


遠くで鐘がなる。

鈍くて鋭い嘆きの音

空を震わせる金属の衝撃


もう戻れない青色の空を夢見て

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