~魔法使いなんてチートすぎる!?~
ありえない。そんな光景がたった今、目の前に広がっている。
ついさっきまで見ていたはずのPCや、つけっぱなしにしていたテレビの音も聞こえなくなっていた。
そして今、目の前に広がるのは見渡すかぎりの草原。そう。気がついたらここにいたのだ。
「一体、何があったんだ!?」
さかのぼること10分前。ネットサーフィンをしていた俺は、とある異世界転生の漫画があると知り、早速その漫画を読んでいた。すると、急に『異世界転生をしてみたいですか?』という表示が出てきた。その質問の下には『Yes・No』があり、俺は迷わず勘でYesをクリックした。
理由は簡単。漫画を読んでいるうちに憧れてしまっていたのだ。異世界転生することに。結果、少しの興味でYesを押してしまった。その瞬間、自分の周りが光で包まれ、気がついたらここにいたという訳だ。
「嘘だろ……。」
俺の小さな呟きに答えてくれる人はいな……
「本当じゃよ。」
「えっ!?!?」
いた。答えてくれる人が。
ただ、周りを見渡しても声の主は見当たらない。
「そう焦るな、若者よ。」
「だ、誰?!どこにいるんだ??」
年老いた老人のような声の主に俺は問いかける。
すると、
「私は神じゃ。私は天界にいるから見えんじゃろう?」
「はぁ……。 か、神!?」
ヤバイ。思考が追い付かない。
とりあえず、落ち着かなくては……。
一旦深呼吸をして思考を巡らせる。
「そうだ。神じゃ。」
「神の声を聞くのは初めてかのぅ?」
「はぁ。そう…ですね。」
「早速で悪いんじゃが、お前さんにお願いがあって私は来たのじゃ。」
申し訳なさそうに神とやらは話してきた。
まだ、状況が全く把握出来ずに戸惑っている………。