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85/162

85.プレゼントはもちろん好きですが

はっきり言って、私は即物的な女だ。

お金持ちのイケメンが、普通の女の子にあれこれプレゼントして彼女を飾りたてるハーレクイン的なお話が大好物だ。

こういうお話って、洋の東西を問わず、時代の古今を問わず、女子に愛されるお話だよね。

ただし、二次元に限るけどね!?


「怒るなよ」


レイは私の機嫌をうかがうように、視線をそらしながら言う。


「怒ってはないですよ。着替える服もないので、困っていましたし。ただ、この量に驚いたのと、申し訳ないなとは思っていますが」


怒るなんてことはない。

嬉しいのは嬉しいんだよ。

好きな男に、気遣いを示されてうれしくないわけないじゃない。


たださー、山のようにドレスや装飾品をつまれると、申し訳なさともったいなさでおろおろしてしまう。

2,3枚なら申し訳なく思いつつも、心からお礼を言えるんだけどね。

この中の数枚を選ぶにしても、持ってきていただいたお店の方に申し訳ない気がするんだよね…。


「テル。メアリー。悪いが、いったん彼女と二人きりにしてくれないか?」


「かしこまりました」


レイが言えば、私以外の部屋にいた人がそろって頭を下げ、部屋を退室する。

おお。訓練されたかのような見事な動き。

お店の人がほとんどなんだから、訓練なんてしてるはずないけどさ。


いやそれより、二人きり。

いろいろ話したいことはあるはずなのに、緊張してしまう。

昨日はずっと二人きりだったけど、部屋の中で二人きりっていうのは、また別だよね。

しかもレイはなにか言いたそうなくせに、こちらの様子を見つつ、口を開かない。


うーん、これはこっちから声をかけるべき?

と思った時、レイと視線があった。

レイは意を決したように深呼吸し、口を開く。


「あのよー。一晩考えたんだけどよ、俺、やっぱり美咲のことが好きみてーだわ」


照れたように、レイはちょっと視線をそらしつつ、そんなことを言う。

そのくせ言い終えたとたん、私の顔を覗き込んで、


「うん。やっぱり好きだな。お前のこと」


レイは、とろけそうにあまく笑う。

淡い紫の瞳も、やたら熱っぽい。

その目にからめとられたように、私もレイから目がそらせない。

するとレイは私の手を握ろうとしてきた。


「ええっ、うわ、ちょっ、待って!とととととと突然ですね?!」


わめきながら後ずさる私を、レイはぽかんとして眺めた。


「そんなに驚くことか?」


「いやいやいや。だって私たち、会ったばかりだし!」


「だけど美咲だって、俺のこと好きになってくれたんだろ?昨日ダイアモンドにそう言ってたじゃねーか」


すねたようにレイが言う。

やめろ、かわいいから。

じゃなくて。


「私とレイでは、意味がぜんぜん違ってくるじゃないですか!?」

読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマも嬉しいです。


サブタイトルは初め「告白されましたが」でしたが、

いくらなんでもネタバレすぎるかと思い、訂正。

内容に関するサブタイトルをつけようと思うと、ネタバレになるので迷います。




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