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81.スマホが動きませんが

「え。いやいやいやいやいやマジで?」


何度かスマホの電源ボタンを押す。

だけどスマホはぴくとも動かない。


「ちょ。マジで?いやいやちょっとお願いがんばって動いてください」


長押ししても、ダメ。

ふってみたり、拝んでみたりしたけど、それもダメでした。


うそでしょー…。


充電は昨夜ばっちりしておいて、空港で見ていた時も80%以上は残っていた。

だから充電が切れているわけじゃないはずだと思う。

携帯用充電器はバッグにいれてなかったから、充電が切れた可能性もないではないけど、爆発に巻き込まれた時にぶつけて壊したか、異世界だから動かないのか…。


慌ててデジカメを確認する。

こっちは問題なく電源が入ったけど、さてどうしよう……。


未練がましく何度もスマホを触ってみたけど、やっぱりスマホは動かない。

アナログな人間だから、普段はスマホがないと生きていけないってことはないけど、まったく動かないとなると動じずにはいられない。

まぁここは異世界だし、電波とかは通じないだろうけど、でもやっぱりないと落ち着かないよ。


「がんばれっ、がんばれっ」


などと言ってみるけど、やっぱりスマホは動かない。

諦めなくちゃと思うんだけど、なかなか決心がつかなくて、机においたスマホに土下座してみる。


と、控えめなノックの音がしたかと思うと、昨日のメイドさんが部屋に入ってきた。


「……あ」


「おはようございます、美咲さま」


うぎゃ。床に頭をこすりつけて、机の上の小さな箱を拝む謎の女。

こわいこわい。


超絶気まずく思いながら、とりあえずへろりと笑う。

だけどメイドさんはまったく動揺したふうもなく、にっこりと笑って挨拶をしてくれた。


「オハヨウゴザイマス」


プロフェッショナルだなぁと思いつつ、こちらの返答は引きつってしまう。

メイドさんは、今日も美人だ。

えっと確かお名前は、メアリーさんだっけ。


「お早いんですね。昨日はお疲れのようでしたので、ごゆっくりしていただくようレイ様からうかがっていますが、もう起きられますか?」


「えっと、はい。もう目が覚めたので、ご迷惑でなければこのまま起きていたいです」


「かしこまりました。もう身支度もされていらっしゃるんですね」


「そうですね。簡単にですが」


「お手伝いできず、申し訳ございません。お目覚めにとお水とお茶を持ってまいりましたが、いかがですか?」


「あ、じゃぁお願いします」


ひんやり冷えたお水をいただいた後、メアリーさんが淹れてくれたお茶をいただく。

ちょっと濃い目のミルクティーっぽい味。

あーこれめっちゃ好きだわ。


「朝食は、皆様ご一緒に召し上がられますが、美咲さまもご一緒でよろしいでしょうか」

読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマも嬉しいです。

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