表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/162

80.妄想以上に非現実な現実を逃避するのに失敗しましたが

ようやく次の日です。

窓から差し込んでくる朝日のせいだろうか。

ぱっと目が覚めた。


「え、どこだここ……」


ベッドで半身を起すと、体がギシギシ言う。

あーしまった、変な恰好で寝ちゃったから、疲れとれてないわー。

お風呂も入っていないんだっけ。

お湯わかさなくちゃ……。


ぼーっとした頭でそう考えて、それからぐるりと首をまわして、もう一度。


「え、どこなの?ここ」


なんで私が天蓋ベッドで寝ているんだろう。

そんでこのやたらゴージャスなお部屋はいったいどういうことだ。

ロンドンに旅行中なんだっけ?

お城ホテルは考えに考えたすえ、お値段の相談がつかずあきらめたはずだったけど……。


「じゃないわー」


部屋をぐるりと見回しても、トランクがない。

そこでようやく現実を思い出した。


あー、はいはい。

私、異世界に来ていたんでしたね!


起きて一瞬後には思い出していたけど、夢かと思ったよね!

だってさぁ、目が覚めたら予約した覚えのない古城ホテルに泊まっていましたっていうのと、異世界の騎士様のお屋敷に泊めていただいていましたっていうののどっちが現実的かっていうと、あきらかに前者だよね。


とはいえ、自分のいる場所が日本だろうとロンドンだろうと異世界だろうと、しなくちゃいけないことはあるもので。

私は自分の顔に触れると、そのガビガビ具合におののいて、さっさとお風呂にお湯を入れた。

設定温度が若干熱めだったから、ちょっと時間をおいてぬるくする作戦。


続いて、私の唯一の持ち物であるバッグを広げ、中からメイク落としと洗顔フォーム、化粧水と乳液、歯ブラシセット、パックと櫛を出す。

飛行機の機内に持ち込める液体は、100ml以下の容器に入ったもので、かつ容量1リットル以下のジッパーつき袋に入るぶんだけ。

なので化粧水も乳液も、せいぜい数日分ってとこだ。

パックにいたっては、1回分しかない。

この世界にいつまでいるかわからないから、早々に使っちゃうのは迷うけど、この砂漠状態のお肌は緊急レスキューが必要だ。


髪をとかしつつ頭皮マッサージをして、私はため息をついた。

まぁこの世界もいろいろ普及しているみたいだから、化粧水とかはあることを祈っておこう。


あとはお風呂に入ったら、着替える準備だな。

バッグの中には、下着やストレッチ素材のワンピース、カーディガンなんかが入っている。

ロストバゲージに備えて、一泊はできる荷物を用意していた自分をほめたたえたい。


だけど服は、昨夜ダイアモンド様にゆったりサイズの寝るとき用ワンピースをお借りしているので、そっちを着ようかな。

普通の服はサイズの都合上お借りできなかったんだよね。

ダイアモンド様細いからな…。


けっして、決して私がデブだからではないと信じたい。

ややデブよりだけどさ。一応標準体重だからね!


ちなみに下着は自分のがありますって主張しました。

ほんとこれは持っててよかったよ。

洗い替えに1セットあれば、なんとか急場はしのげるしね。


あとはさっさと元の世界に戻れれば、無問題なのですが。

読んでくださり、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ