表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
130/162

130.結婚するって噂がありましたが

レイの傍にいるのは、好き。

一緒にいるとずっとずっと一緒にいたいって思う。

だけど、元の世界に帰るっていう願いはなくなるわけなくって。

今はまだこの時間を大切にしていくだけで、いろいろ考えるのはやめることにしていた。


そんな私たちを、周囲の人は静かに見守ってくれている……わけではない。


私とレイが「好きだけど、付き合うわけにはいかないし」なんてもだもだやっている間、ブロッケンシュタイン領はちょっとした騒ぎになっていた。


原因はもちろん、もうすぐレイが結婚するかも!っていう噂を発端とするお祭り騒ぎだ。


その話をダイアモンド様から伺ったときは、リアルに凍り付いたよ。

だってダイアモンド様ってば、夕食の席でパンをもぐもぐ咀嚼しながら、「そういえばさー」なんて軽い調子で衝撃的なことをいうんだもん。


「レイたちの結婚式の準備にかかわりたいって商人たちがひっきりなしに訪れてくるんだけど」


「はぅっ!?」


その時はちょうど、この世界にいる間だけでもレイと一緒にいようって決心して、もう一度付き合いはじめた時だった。

まだ付き合うってなった当日かその次の日くらいだったんじゃないかな。


水を喉につまらせてせき込みながらも、ダイアモンド様に伺った。


「レイと結婚…って、あの話まだ残っていたんですか!?」


「え。そりゃ誰も否定しないし」


「なんで誰も否定しないんですか!?そんな話早々に否定しないと大変な噂になるんじゃぁ」


「あ、もう大騒ぎになっているよ」


「レ、レイ?!なんでレイも否定してくれなかったんですか!?」


つい最近まで私たちは付き合うって話もナシにしていたのに、街をあげて結婚のお祝い準備をされているとはどういうことなの。

…まさか、元の世界に戻す気なんてないってことなのか。


疑いの目で見てしまう。

するとレイは苦笑いをうかべて、


「ちげーよ。実際に結婚するかどうかは別としてよー。お前は俺と結婚するってことにしておこうと思ってたんだよ」


「は!?」

読んでくださり、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ