103.ほんと外見では年齢がわからないのですが
ありゃ。レイの言葉が一気に崩れた。
それまではフィー様とお話しする時は外向きのきちんとしたしゃべり方だったのに、私とかと話している時みたいだぞ。
…というか、この二人、昔っからの付き合いなのかな?
私はタイプの違う美少年と美青年の顔をこっそり見比べる。
外見を見ると、レイのほうが2, 3歳年上に見えるんだけど……。
フィリップ様は「ふぅ」と小さなため息をこれみよがしについて、レイを上目づかいで睨む。
「君がブロッケンシュタイン家の人間としてふさわしくあるべく行動しているのは知っていますよ。ですからわたくしも普段は、君との会話も地位のある人間同士の会話であるようつとめているつもりです。でもね、レイ。わたくしは君が赤ん坊のころから、君たちを見守っているです。おこがましい話ですが、君たちのことは自分の孫のように慈しんでいるんですよ」
フィリップ様はツンと唇をとがらせた。
それ男子のすることじゃないと思うの。
優等生風美少年なフィリップ様が子供っぽく拗ねる様は、らしくない。
だが、それがいい。
ごちそうさまです!
わざとらしく拗ねられたレイは、ガシガシと頭をかいて、
「フィー様が俺らに甘いのは、わかってるって。けどよ、だからこそ甘えてられねーだろ。俺だってブロッケンシュタイン前当主だ。聖騎士としても、貴族としても誰かに甘えることが許される立場じゃねーって知ってるだろ?」
「君はすでに充分、独り立ちしていますよ。確かに若い分、経験不足は否めませんが、それだって引きこもり気味で研究ばっかりしている40歳50歳の人間じゃたちうちできませんよ。普段は腹芸もお得意ですし」
フィリップ様の発言は、フォローなのかな。
レイはなんだかますます落ち込んだみたいだけど…。
うつろな目をしてため息をつく姿が、月の貴公子みたいで笑える。
いや、かっこいいんだけどね!
フィリップ様は立ち上がって、レイの席の傍まで行く。
そして小さな子供にするように、よいこよいことレイの頭を撫でた。
小柄なフィリップ様は、レイの頭を撫でるのは大変そうだけど、本人が申告したようにまるでレイのお父さんのような愛情深いしぐさだった。
ん?フィリップ様本人はレイのこと息子じゃなくて、孫って言ったんだっけ。
孫?
レイが?フィリップ様の?
ていうか赤ちゃんの時からレイを知っている?
……うゎーい。フィリップ様、癒し人確定ですね!
ほんっとこっちの世界の外見って年齢判断の役に立たないな!
何歳なんだよフィリップ様。そんな高校生みたいな顔をしているくせにさー。
脳内でぐるぐる考えていると、ふてくされていたレイが大きくため息をついた。
「こんな感情むき出しの表情晒している時に、腹芸がうまいって褒められてもなー」
読んでくださり、ありがとうございます。




