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ヤラセで異世界生活  作者: とうかつ
第0章 ヤラセ契約
3/10

演出(ヤラセ)は香辛料(スパイス)

「ヤラセやりませんか!!」


ゴードンは驚き、葉巻を床に落とした。後ろにいたAD(ネズミ顔)が急ぎ葉巻を拾い上げてちょっと焦げてしまったマットに手をかざし直してくれた。


『ヤラセって・・・お前、何を言ってるのかわかってるのか!!』

ゴードンは牙を光らせ苛立ちを隠さずに悠人に向かって吐き捨てた。


「ええ、分かって言ってるつもりです」

悠人もゴードンの形相に負けずに足は震えそうだったが真っ直ぐ目を見て答えた。


「俺はガランド国に行きたいです。今のままでは俺の人生が詰みます。そしてこれはゴードンさん達にとっても良い提案になると思って言ってます」


口から出まかせな部分もあったが、ゴードンに興味持ってもらわないといけないと自信をもって話した。

(「頼む!食いついてくれ!!」)


悠人の必死の祈りが通じたのか、ゴードンは再び葉巻に火をつけながら悠人の目を見た。

『俺たちにもプラスになるっていうのはどういう事だ。話によってはプロデューサーには話だけはしてみよう』


悠人は内心ホッとしつつも顔を引き締めてゴードンに伝えた。

「俺が番組と組めばスポンサー商品を使い活躍する事でスポンサーからの評価も上がりますし、ハプニングを演出することで視聴者を(あお)り数字を取る事も可能です。ドキュメンタリーからは少し外れてしまいますが、演出は料理でいうところの香辛料(スパイス)です。重く考えずにタッグ組みましょう」


悠人はゴードンが提案に乗りやすくするために話しながら徐々に明るく話すように務めた。ゴードンも提案に対して前向きに受け取ってくれた様だ。


『スポンサー受けが良いって事か。新番組のスポンサーは、冒険者ギルドと商工会ギルドがメイン。あとは食品製造と飲料水だったよな・・・確かに悪くはない。お前の話をもう1度うちのプロデューサーにしてやって欲しい。その上で決めよう』


そう言うとゴードンは石みたいなものを耳から口にかけて押し当て誰かと話し込んでいた。


『・・・って事なんです。ええ』

『・・・ですね。ちょっとこちらに来て頂いても宜しいでしょうか』

『・・・あ、ありがとうございますプロデューサー!ではお待ちしております』


どうやらプロデューサーが来てくれるようだ。


プロデューサーが到着するまで暫しの間、ゴードンにガランド国について聞いていた。

ゴードンと悠人が直接話ができる事からも分かるが、ガランド国の言葉は日本語がベースの様だ。番組としても同じ言葉がチキュウのニッポンって国で使われている事を知り、新番組の最初に招く候補者を日本人に絞って探していたらしい。


そんな事を話していると、ゴードンは葉巻の火を消しながら呟いた。

『プロデューサーが来られたようだ』


その瞬間、急に辺りがまばゆい光に包まれた。

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