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ヤラセで異世界生活  作者: とうかつ
第0章 ヤラセ契約
2/10

ヤラセやりませんか!!

何でも話すといったメガホンオヤジ(ライオン顔)は悠人に顔を近づけた。その顔からにじみ出る威圧感に負けずに悠人は質問を投げかけた。

「そもそもあなた達はどんな人たちなんですか、そして何の為に俺の家まで来たのですか」


メガホンオヤジはポケットから葉巻らしきものを取り出し、ライターなどを使わずに火を付け一服してから話始めた。


『俺たちはガランドテレビっていうテレビ局で「実録ようこそガランド国へ」という新番組のドキュメンタリー番組を作ってるスタッフだ。俺はゴードンという。一応この番組のディレクターをやってる』

『そして、異世界チキュウから来る若者の成長を追うというテーマで君を取材に来た』


やはり、テレビスタッフのようだが、ガランドテレビってテレビ局は聞き覚えが無いし、異世界地球って言ったのも気になる。


「つまり、ゴードンさんたちは異世界から来たってことですか」


まあ、どうみても動物の顔をした人を着ぐるみ以外で生まれてこれまで見たことはない。


『理解してくれて助かる。で、さっきの応募ボタンを押すとガランド国に君はそのまま来ることになりそれからの成長を追いかける予定だった。だが、気づかれた以上、君がガランド国に来ることも無いし、寝たらさっきの転職サイト開いたとこから今俺たちと会ってる記録は全て消されて今までの生活を送ることになるから安心してくれ』


悠人は話そのものは理解できたが腑に落ちない部分もあった。


「待って。話は分かったけどそもそも何で俺の所に来たの?転職サイトに求人出していたのだから日本中の人が見るんだから、何百人もスタッフが一軒一軒カメラ持って構えてるの?」


ゴードンは困り顔をしながらため息をつき、もう一度葉巻を吸うと話を続けた。


『そもそもあの求人広告はチキュウでは、これ以上人生で良い活路が開けない可能性が極めて高い人しか見れないようになってる。で、君はガランド国に来た方が活路を開けるはずと思われた筆頭格だった』


悠人はその続きを欲するようにゴードンの次の言葉を待っていた。


『君の勤めている会社あと1週間で潰れるよ』


「えっ・・・」


いくら転職サイトを毎週のように開く悠人であったが、勤務先が潰れると聞いて冷静では居られなくなった。


『君の夏のボーナスの支給、去年よりも遅くなかったか』


確かに去年は6月末に支払われたはずのボーナス今年は7月末にようやく振り込まれた。


「確かにそれはそうなのですが」


『うむ。では特別にこの映像を見てもらおう。本当は君がガランドに来て番組が放送されるようになったらその冒頭部分で流す予定だったVだ』


そこには派手な異国のカジノで大量のチップを積み上げて勝負している勤務先の社長の姿が映っていた。


「おっ、何か年甲斐も無く大喜びしてる」

大量のチップがさらに何倍にもなったようでそこで勝負を止めたようだ。

『この映像は7月下旬に撮ったものだが、これで7月末に君たちへのボーナス支払いの原資が出来たようだ』


カジノでボーナス原資を作る社長ってどうなんだろう。


「これで会社も一息・・・」

『いやこれが終わりの始まりだった。このVを見てもらおう。それから半月後というか、今から1時間前撮ってきたVだ』


そこには先ほどのチップよりさらに大量のチップを持ち込んだ社長と会社の役員が祈るようにカジノの台を見つめていた。その中には悠人が見知った支店長もいた。


「あっ・・・全部チップが持って行かれた。社長も役員も崩れ落ちた・・・。」

『そうだ会社の運転資金を全て突っ込んだようだな。そして首が回らなくなってこれから1週間後に会社更生法を申請することになる』


少なくとも1週間後に悠人が失業者になることは先ほど確定したようだ。


「そしたら俺は・・・」

『まぁ、良い職に巡り逢えば良いが厳しいかもしれないな』


ゴードンが再び葉巻を吸うのを眺めつつ悠人は思った。

(「この異世界へのチャンスを逃すと人生が詰んでしまう」)


悠人は意を決してゴードンに話しかけた。

「ヤラセをやりませんか!!」


週末の間にプロローグは終わらせる予定です。頑張れ遅筆な俺w

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