異世界からのテレビスタッフ
初投稿です。暖かく見守ってくれると嬉しいです
「今日も疲れたな」
会社から終電に揺られて1DKの自宅に帰ってきて時計を見たら針はてっぺんをとっくに回っていた。
シャワーを浴びてから、帰宅途中にコンビニで買ってきた弁当と発泡酒1本で疲れを癒す。金曜夜から日曜日までは大食いしてしまう。
けっこう、どこにでもいる若手サラリーマンだと思う。
そんな普通のサラリーマンである早川悠人。26歳。
暴飲暴食が原因で体重が最近100キロを超えてしまった。そんな体型が原因だろう、彼女いない歴=年齢だが、本人は「仕事に生きるんだ」と強気に職場では強がりを言ってる。
「あ~あ、せめてまともな時間に帰れる仕事に転職したいな」
弁当を食べ終え、発泡酒片手にパソコンを立ち上げて転職サイトを開く。そんなこと言っても良い仕事はそうある訳ではないので、悠人は転職サイトは最終ページから見るようにしてる。
「どうせ、普通に見たら何度も求人広告だしてる会社ばっかりだし、見る時間がもったいない」
職場の写真もなく、必要な概要しか書いていない求人に掘り出し物があるのではと、転職サイトの更新日には眺めるようにしていた。
そうしてると1つの求人広告が目に飛び込んできた。
株式会社ニューワールド
月給25万円以上☆在宅勤務でプライベートも充実
仕事概要:街づくりをベースとした総合職
対象の方:学歴不問 新たな職場で頑張れる方歓迎
勤務地 :新世界
勤務地に若干違和感感じたが、興味半分でページをクリックした。
応募背景:街の発展に行き詰まり閉塞感を打破して頂ける社員を募集致します。
仕事内容:街づくりに関する事全て。貴方が街にとって必要だと思う部分を強化してください。
先輩から一言:やりがいのある仕事で日々充実した日々を送ってます。プライベートな時間もこれまでより長く取れたおかげで彼女が出来ました!
いかにもウソっぽい。でも気になる。
そのまま読み進めていき、気づくと応募フォームに入力をしていた。
「どうせ、またお祈りメールが来るんだろうけど応募だけしてみるか・・・。でもな、勤務地が新世界って何なんだ?やっぱ止めようかな・・・」
応募ボタンからカーソルを移動し、戻るボタンをクリックしようとした矢先だった。
『カット!カット!!V止めて!!』
気づくと悠人の後ろにメガホン持ったオヤジが立っていた。
『もう何でポチって押さないかな。いい絵が撮れると思ったのにがっかりだよ』
「あっ、あのぉ・・・」
『あ~気にしないで、スタッフ撤収するよ!』
冷静に見るとメガホンオヤジの後ろに、カメラマンや音声さんさらに小間使いのように走るADらしき方がいた。ただ、メガホンオヤジはライオンの顔で音声さんは熊で、ADはネズミだった。
「すいません!話聞きたいのですが!」
悠人は撤収支度をしてる彼らに向かって声を掛けた。
『もう、忙しいんだから。今から次の取材対象者探さなくちゃいけないんだから』
「えっと話が全然見えないし、それに勝手に家の中に入られているし、警察に連絡してもいいんですよこっちは」
悠人の話を聞いて、ライオン顔のメガホンオヤジは苦虫を潰したような顔をした。
『確かに何も説明してなかったからな・・・。これから説明することに君が信じるかどうかは任せるが、俺が知ってる事は話そう』
スタッフ達も撤収作業を一時中断してメガホンオヤジと悠人の話を見守ることにしたようで、遠巻きから二人を見ている。