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賠償スキルで無双します~魔王との戦いで逃げる時に勇者達に生贄として置いて行かれたので、賠償スキルでみんな奪ってやった~  作者: 喰寝丸太


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第57話 聴講生

 魔法学園都市に到着した。


「ギルドカードか何かあるか?」


 プラムマンのギルドカードはあるがそれは出さない。

 俺はピエロの化粧をしている。


「旅芸人一座でして」

「旅芸人が魔法学園になんの用だ?」

「芸に行き詰ってまして、魔法を学んだら幅がでると思った次第で」

「よし得意な芸をやってみろ」


「取り出したるは、ガラス瓶。で銅貨を一枚拝借」

「これでいいか」

「ガラス瓶の中に落として下さい」


 門番は銅貨を財布から取り出して瓶に落とした。

 チリンと音を立てて銅貨がガラス瓶の中に入れられる。

 俺はコルクの蓋をしっかりと締めた。


「何の仕掛けもありません」


 そう言って瓶を門番に渡す。

 門番はガラス瓶を振ったりして確かめた。


「では」


 俺は瓶を受け取ると手のひらに置いて前に突き出した。


「よおく見て下さいよ。はっ」


 小声で次元斬を発動。

 銅貨は真っ二つになった。

 俺が瓶を振って門番に手渡す。


「凄いな。どうやったんだ。割れている銅貨をすり替えたってのは分かるが、どのタイミングだ。銅貨には触ってないし。うーん分からん」

「どうです。芸人だと認めてくれますか」

「おう、滞在許可を出そう」


 俺は書類にプリュネオムと記した。

 こんな偽装工作が通じるとは思ってないが、教国の国境を出てからプリシラに追っ手の有無を確かめて貰って、いないのを確認してる。

 教国としては国内から厄介払いできてひとまず良しとしたらしい。

 リベンジする機会は伺っているはずだが、普通にやっても勝てないのは教国も分かってる。

 勝てる算段を練っていると思われる。


 さてと、魔法学園都市をまずは観光しますか。

 魔法学園都市は6角形をしてて、都市の外縁には城壁がある。

 中央にまた6角形があり、これが魔法学園だ。

 魔法学園の中央には7つの塔。

 中央の塔が学園長の塔だ。


 この都市の善良な市民にはなるべく迷惑を掛けたくない。

 次元斬は放てば学園の建物は全て壊せるだろう。

 そうすると生徒にも被害者が出る。

 生徒に対しても俺は恨みがあるわけではない。

 なるべく穏便にいきたいものだ。


 だからアンデッドを都市中に放つなんてこともしない。

 情報収集してゆっくり行動するさ。


「これ美味しい」


 リリム達は完全に観光気分だ。

 屋台から食べ物を買って、ぱくついてる。


「殺し屋が来るかも知れないから、あまり気を抜くなよ」

「はぐはぐ、分かってる」


 ガイドを雇うことにした。


「ええと、下宿の確保と魔法学園に入りたい」

「その化粧は?」

「芸人なんだよ」

「まあ、ひとそれぞれです。下宿は学生相手の不動産屋ですね。魔法学園の入試は半年後です」

「魔法学園は見学とかで入れないのか?」

「卒業資格が要らないのであれば、聴講生という手があります。聴講生は高いですよ」

「金は問題ない」

「ではお任せを」


 不動産屋に案内された。


「お客さん、今は時期が悪いですな。学生が卒業するのは7ヶ月後です。いま空いている物件はいわくつきか、割高のしかありません」

「割高のでいい6部屋空いているアパートか貸し家で頼む」

「となると貸し家ですね」


 家に案内された。

 8部屋だったが、余る分には問題ない。


 そして、俺だけがガイドに連れられて魔法学園に入った。

 事務室に到着。


「こちらの方が聴講生希望だそうです」

「ピ、ピエロ」

「芸人が学を付けちゃ不味いか」

「不味くありません。どれぐらいの期間を希望ですか?」

「一ヶ月で良い」


「それですと。金貨30枚になります。教材と制服などは別料金になります」

「分かった」


 書類に記入して、教材や制服を売っている店の地図とカードを渡された。

 必要な物のリストもある。


 今日一杯は準備で潰れそうだな。

 まずは服屋に行く。

 これが一番手間取りそうだったからだ。


「いらっしゃい」

「魔法学園の制服がほしい」

「ええとお知り合いの方のですが。本人がいらっしゃらないと採寸できません」

「俺が魔法学園に入る」

「はっ、申し訳ありません。お客様の体型ですと、出来合いの物があります。特注すると一週間かかります」

「出来合いの奴でいい。2着くれ」

「お客様、ロープタイの色はどうなされます」

「えっと」


「聴講生だから白です」


 ガイドさんが、助け舟を出してくれた。


「ロープタイの色を教えてくれ」

「赤が新入生。橙が2回生。黄が3回生。緑が院生。青が講師。藍が教授。紫が学園長となってます」


 ガイドさんが教えてくれた。

 ガチガチの階級社会のなのかな。

 まあ良い。

 馬鹿にされたって別に困らない。


 教材集めは簡単だった。

 在庫は常にあるらしい。

 そりゃ、壊したり無くしたりする奴もいるだろうからな。

 それに毎年、品物が変わったりもしない。


「どの講義を受ける予定ですか?」

「それが何か関係あるのか」

「リストに書かれていない本が必要なんです。参考資料とか教授が書いた本ですね。これはどの講義を取るかで変わります」


 ガイドさんは詳しいな。


「今は要らない。必要になったら買うさ。生徒に教えて貰えば良いだろう」

「では、これで準備は終りですね」

「ご苦労様」


 明日から聴講生だ。


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