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営業とは違うのだよ営業とは

作者: 井上さん
掲載日:2026/03/29

名前借りました

 兄レウスが、父ドラグロに言われていた。


「交渉は、1度断られても諦めてはダメだ。何度も粘り強く交渉するんだ!」


 断られても、諦めない。

レウスは、父から教わった事を、実践した。


しかし、仕事はそうでも恋はそうでもない、と、言う事を、父は言わなかったからなのか、レウスは恋にも、諦めない、を実践した。




 レウスは、とある令嬢に片思いをしていて、婚約を申し込むが、断られても諦めず、また婚約を申し込む。



 レウスの理屈は凄い。


当主から断られた→本人はその気


本人から断られた→当主に断れと強制された


本人に会わせてもらえない→嫉妬で婚約を邪魔されている



 何度断っても、また婚約を申し込むなんて、嫌がらせとしか思えない。


令嬢は、私レイアの友人ラグーナだから、本当に申し訳ない…


レウスは、断られても婚約を申し込み、嫌がらせをしていると社交界で有名になった。

 レウスが貴族達から白い目で見られているのに気付いてないのは、レウスと父だけだ。


 私は父に、レウスに他の婚約を勧めてと何度もお願いしたが、聞いてくれなかった。


「男のやる事に口を出すな!」


 あ、もうダメだこの家。




「家を潰したいのかしら」


 私は、婚約者ブルームに愚痴を言った。


「それなら、望み通り潰してあげよう」


 ブルームは、笑って言った。




 王宮の夜会。

この国の貴族が集まる夜会だ。


「やっと会えた…どうか私と婚約してください」


 レウスが言った。


「何度も断っているのにしつこく申し込むとは、嫌がらせにも程がある!」


 ラグーナの父ウルムーが言った。

ラグーナは、ウルムーの後ろに隠れている。


「何度も婚約を申し込むのは、それだけ本気だからです!」


 ドラグロが言った。


「貴方は、私の手紙を読んでいないのか?」


 ウルムーが言った。


「は?手紙?」


 婚約を断る手紙が、我が家に来たはずだが?


「2度目の断りの手紙には、これ以上しつこく申し込むなら、それなりの対処をする。ご子息が娘に近付いたら、容赦しない、と書いた」


「何だって?」


 読んでないのかよ、父。


「私も確認した」


 国王が言った。


「こ…国王…!?何故国王が…!?」


 父よ、国王とウルムーは、従兄弟です。


「従兄弟の娘が、変質者に婚約を申し込まれたと相談されたからな」


 国王が、ドラグロを睨んだ。


「変質者…!?」


 ドラグロが目を見開く。


「婚約を断ったのにもかかわらず、また婚約を申し込む。そんな嫌がらせをする家と、関係を持ちたくないだろう?」


「それは…交渉事は、諦めずに何度もする事で…」


 出たよ。父の謎理論。


「ほう…嫌がられているのに、しつこく迫るのが交渉だと?」


 国王が言った。


「嫌がられている…?」


 父よ、嫌がられているって気付いてなかったんだね。


「最初の手紙で、婚約が決まりそうだと書いたが?」


 ウルムーが言った。


「「はぁ!?」」


 ドラグロとレウスが叫んだ。


 手紙ちゃんと読んでね。いい年した大人なんだから。

交渉よりも大事だよ。


「お前らは、王家の婚約を邪魔し、相手を横取りしようとした」


 国王が言った。


「「…え?」」


 噂が出回っていたよ。ラグーナとカイザー王子が婚約間近じゃないかって。

知らなかったのは、父とレウスだけだよ。

私は、ラグーナから聞いて知っていたし。

だから、他の婚約を勧めろって言ったのに。


「不敬罪だ。この2人を牢に入れろ!」


 国王が宣言すると、騎士達がドラグロとレウスを連れて行った。


「当主は、娘が継ぐように」


 国王が、私に言った。


「ありがとうございます」


 私は、国王に礼をした。


家が潰れなくて良かった〜


そして、国王は


「第2王子カイザーの婚約が決まった」


 と、ラグーナを紹介した。


私は、拍手と共に祝福した。


 カイザー王子とラグーナは、お互いに一目惚れで、小さい頃から将来を約束していた。

 ただ、何があるか分からないから、婚約は保留にしていた。

だが、第1王子が王太子になり、婚約が決まった為、第2王子カイザーも婚約する事になり、話し合いをしていたのだ。

 貴族の間では、有名な話だった。


 それを知らない父とレウスが、何度も婚約を申し込んだ。

教えてくれる、知り合いもいなかったんだね。貴族として、不適格だね。




 私とブルームが結婚して、家を継ぐ事になった。

何で今回の話がスムーズに進んだのか。

 それは、ブルームがカイザー王子の側近だったからだ。


カイザー王子は、ラグーナが、しつこく婚約を迫られている事に悩んでいた。

断っても断っても、婚約を申し込んで来るのだ。人語を理解できない、危ない人物だと思っていた。


 そんな貴族は、この国に必要か?


私がブルームに相談した事で、主であるカイザー王子に話が行き、危険人物の父とレウスを消す計画を立てたってわけ。


 あ〜スッキリした!


私とブルームは、父の尻拭いで、危なくなっていた領地を立て直す所から始めたのだった。


読んでいただきありがとうございます

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