墓場は結婚式
私のお葬式は真っピンクのリップを引いて、フリフリのドレスを着たい。
みんなは、真っ白なドレスを着てね。花束は沢山持ってきて。制服なら着崩して、スーツならパンクに着こなして、喪服が着たいなら着て。あなたの好きを、私に教えてね。
その日はツインテールにしていいし、ウエディングドレスを着てもいいの。みんなの好きの中に私が混ざれたなら、昔憧れたお人形のおもちゃ箱みたいで素敵。
私、現世に残れる最後の姿が真っ黒なんて嫌だもん。最後に見るみんなの姿が真っ黒なんて嫌だよ。
みんなはカラスじゃないもん。
その日は、みんなが言えなかった好きな服を着てくるの。スカート履いたり、久しぶりにセーラー服着てみたり、頑張って作った手編みのセーターでもいいんだよ。私に見せる最後の姿は満足した顔でいて欲しいから。
結婚式よりもド派手で、誕生日より寂しい瞬間をこの世界に存在させたい。
誰かが結婚は墓場なんて言うなら、墓場は結婚式くらい綺麗にしてもいいんだよね?
あなたの宝物のひとつを私の棺桶に入れて欲しい。ちょっぴりわがままだけど、聞いて欲しいな。愛する子供がおった折り紙とか、大切すぎて使いたくないメモ帳の一枚とか、いい匂いがするティッシュとか、道に落ちてる綺麗な石とか、ひとつだけ。みんなの宝物に囲まれて、私もみんなの宝物になるから。
だけど私、みんなのお葬式に行く時は、真っ黒なワンピースに、ネイルは外して、低ーいヒールで行くと思うの。でも気にしないでね。それが私だと思うから。
君が望むお葬式はどんなものか知らないけど、君が望む永遠はどんなものか知らないけど。私は、君が望む私でありたいな。ねえ、明日はどんな服を着よう?
私もこんなお葬式がいいです




