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創世のルキエル  作者: ウルハ
第1章~始まり~
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その手に、裁きは宿るか

やっぱ気分であげたい時にあげます。

「ご、ご主人様ッ!?」


ヴェイサが焦ったように駆け寄った。


「マズいな……ダリオとルアンなら、本来ならダリオの方が上。

でも、あのエピルークの属性が……“星”……!」


歪むヴェイサの顔。


(このままだと……願いが叶えられない……!)


「ダリオ、立て! 最大出力でいけ!」


「うるせえ……やってやるよ……!!」


怒号と共に、ダリオが吠える。


「Tempest Breakテンペスト・ブレイク!」


風が巻き上がり、渦となってルアンを襲う。


「Storm Crushストーム・クラッシュ!」


連続する風刃が、ルアンの周囲に殺到する。


「っ……!」


ルアンは拳で一撃を弾き、地を蹴ってかわす。

殴る。蹴る。避ける。

呼吸が荒くなる。


「オレが……オレが負けるわけねぇだろがァァア!!」


ダリオが怒りに任せて突っ込んでくる。


「もうやめてよ!!」


ルアンの拳が、再び光る。

炸裂する星の輝き。

再び吹き飛ばされるダリオ。


「ヴェイサアアアア!! なんとかしろよォォ!!

お前、オレの下僕だろ!? 今すぐ願い叶えさせろォ!!」


その叫びに、ヴェイサの目が揺れた。

そして、鼻で笑った。


「……あーあ。ほんっとダッセえ。

今さら泣きついてくるとか、マジで虫唾が走るわ」


冷たく睨みつける。


「言ったよな。“この世界で一番強いって証明できたら”って。

なのにあんた何した? エピルーク持ちって自慢してただけだろ?」


「う、うるせえ……俺は、選ばれし人間だ……!」


「選ばれたァ? はっ、笑わせんな。

オレが見誤っただけだよ。まさかここまで雑魚だとは思わなかった」


肩をすくめ、ヴェイサはあくびを噛み殺すように言う。


「どうせお前、降参なんてしないんだろ?

だったらーールアンたちに殺されてくれよ。

そしたらオレは消えなくて済むし、次にもっとマシなヤツ探すだけだからさ」


あっけらかんとした口調だった。


ルアンが、ゆっくりと近づく。

地面に這うダリオは、血まみれになりながらなおも叫ぶ。


「オレが、負けるわけねえ……!

お前みたいなガキに……ゴミに……!


誰にも相手にされなかった出来損ないにッ!!

オレ様がッ……負けるはずがねえんだよッ!!」


狂ったように睨むその目を、ルアンは見下ろした。


拳を、握る。


過去が、フラッシュバックする。

殴られた日々。

金を奪われた日。

見下された、あの路地裏。


悔しさ。孤独。涙。


「……」


拳に、力がこもる。


「来るか……?」


ヴェイサがにやりと笑った。


「そうだろ? お前、ずっとやられてたんだろ?

殴って、潰して、終わらせてやれよ。

そしたらスッキリするだろ? “正義のヒーロー”気取りか?

やっちまえよ」


その声は、あまりにも軽く、凶悪だった。


拳を上げるルアン。


だがーーそのとき。


視線を、感じた。


ルキエルが、黙ってヴェイサを見ていた。


「……あ? なんだよ、てめぇ。こっち見てんじゃねえよ」


ヴェイサが睨み返す。


けれど、ルキエルはただーー

氷のように冷たい微笑を浮かべて言った。


「……別に?」


空気が、一瞬、凍りついた。


その中で。

ルアンは、一歩、前に出る。


(……殺す? 本当に、それで、いいのかな?)


拳が、震えていた。

誤字脱字多かったらすみません

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