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創世のルキエル  作者: ウルハ
リリアナ姫編
56/57

脱走☆実行中☆邪魔者が?!!☆

***


翌朝――


「よしっ!!いよいよ脱走作戦決行よっ!!」


リリアナは朝から絶好調だった。


「ノインの目を盗めれば、勝ち確だからっ!!」


「姫、そもそも寝起きにそのテンションなのすごいよね……」


ミレアが呆れ顔でつぶやきながら、ルアンとともにこっそり城の裏手へ移動していく。


一方――


廊下の影。


「……姫、またですね」


「ええ。今回はどんなルートか……記録しておきますか?」


「そうですね。では“第37回、早朝バレバレ大脱走劇”として記録しましょう」


ノインとセレドは、全てを把握しつつ、微笑を浮かべて背を向けた。


「気付かないふり、続行で」


 


* * *


「こっちこっちっ!この壁の裏の壁の奥の床の裏に、秘密の抜け道があるのよ!」


「……いや、そこ“裏”じゃなくて普通の床……」


「ちょっと静かにして、ルアン!大事な作戦中なのよ!」


バレバレな行動で、バタバタと廊下を抜け、庭に出た3人。


「ねえ……ほんとにこれ、成功するつもり……?」


「ふふふっ……見なさい、ノインの影も気配もないでしょ!? 完全に気づかれてない証拠よ!」


(真後ろの柱にノインいるけど……)


ルアンとミレアは心の中で突っ込んだが、言わないでおいた。


キャハハハハハハハ!!」


突然、空気を裂くような笑い声が響いた。


パタパタパタ、とハイヒールの音と共に現れたのは――


「まあまあまあ、朝っぱらからなにしてんのよ、リリアナぁ〜?」


艶やかに髪をなびかせる、第二王女・エルミナ。


その後ろからは、無言で冷たい目をした第一王女・アシュリーがぬるりと登場。


「……姉さんたち!?」


「何って、あんたのバカみたいな脱走ごっこがうるさくて起きたのよ」


「目覚まし時計の代わりにはちょうど良かったわ。ノイズだけど」


「なんなのその言い方!!」


「おはようございます……?」


ルアンとミレアがそっと頭を下げるが、

エルミナの目がミレアに留まった瞬間、鼻で笑うように言い放った。


「うわ、またこの子? 本当に……目障り。どこをどう見ても“不潔”って言葉がお似合いね」


「服はシワだらけ、髪は枝毛だらけ、肌は荒れてる。どこで拾ってきたの?野良犬……いや、野の花かしら。育ちすぎて雑草にしか見えないけど」


ミレアが一歩引いた。


「……っ」


「胸もぺちゃぱい。まるで板じゃない。目印つけなきゃ正面か背中か分からないわよね?」


「ぺっ……ぺちゃぱい……!?」


あまりにストレートな一言に、ミレアの顔が一気に真っ赤になった。


「な、なによそれ……っ!!言い方あるでしょ!?」


ショックと怒りと羞恥がぐるぐると混ざり、今にも爆発しそうなミレア。


その隣で、ルキエルがいつの間にか紅茶を口に運びながら、ぽつりと皮肉気に呟いた。


「……ミレア。君にもし、まだロギがいたらね……」


「……?」


「ぼくは“嫉妬”じゃなくて、その“羞恥と憤怒が混ざった感情”を喰らってみたかったよ。なかなかの風味だと思うんだ。さぞかし……濃い」


「うるっっさい!!」


ミレアがナプキンを丸めて投げる。ルキエルはそれをひらりとかわしながら肩をすくめた。


 


アシュリーもまた、冷たく言い放つ。


「顔もボロボロ、凄いわね、姿勢が最悪、立ち方がだらしない。品格がないのは……生まれのせいかしらね」


「……っ!」


「その程度の器に、姫の手が入るなんて……姫の品位が疑われるわ」


 


「ふふん。今日はこの子、私が美しくしてみせるわ!」


リリアナが胸を張って堂々と宣言すると、


「……はっ。できるものならやってみなさい。あんたに“あれ”が手なずけられるなら、の話だけど」


「ちょっとぺちゃぱい、失敗しても泣かないでね。それにリリアナ、あなたも姫としての立場、失うかもしれないけど?」


「深夜……気をつけることね。その醜い姿…寝てる間に切ってやろうと思ってるから。私たちがね」


 

「おほほほじゃぁまたお会いしましょう野蛮ども〜」

「少しでも野蛮じゃなく、せいぜい野の雑草くらいになってたらいいわねぇ〜」


そういい上の姉妹はその場を去っていった


その場の空気は凍り、ミレアとルアンは震えるほどの冷たい視線にさらされた。


(……最低……)


そう思った瞬間――リリアナが、すっとミレアの肩に手を置いて、微笑む。


「大丈夫。私は、私のやり方でやるから」


その声だけは、自信があるようにミレアを、励ました。


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