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創世のルキエル  作者: ウルハ
リリアナ姫編
54/57

囚われの♡姫♡様♡の♡脱☆走☆計☆画☆

「さあ、これが私の――最新脱走計画よ!」


リリアナがノートをバーンと机に広げる。


中には、手描きの地図にカラフルなシール、謎の線と「ここ掘れ!!」の文字、そしてやたらとスイーツのスタンプが散乱していた。


「うわぁ……」


ルアンが素直に声を漏らし、ミレアは口元を押さえながら「なんかもう、逆にすごい……」と呟いた。


「……姫……」


ノインが慎重に口を開く。


「その私の記憶が間違ってなければ……毎回脱走てませんでしたか?記録に残ってるだけでも、35回くらい……」


その言葉に、リリアナは「はっ!」と目を見開き――


「な、何言ってるのよ!あれは“下見”よ、したみ!」


「下見……?」


「そうよ!都会ってどんな感じかな〜って思って、ちょっと!ね!?風とか空気とか雰囲気とか、ほら、そういうの!」


苦しすぎるごまかしに、ルアンとミレアが無言でノインを見た。


ノインは一拍遅れて気づき――


「……っ」


すっと目を逸らした。


完全に「もう慣れてます」感を醸し出す、その横顔。


 


「でねでね、この赤い線が私の脱走ルートで、ここを通ってこの穴に入って……えーと、どっかに出る予定!」


「“予定”!?」


「それで、ここが非常食のクッキーポイントで、この辺がルアンたちとの再会スポットよ!」


「いつ決めたのそれ!?」


「うふふ、今!!」


一同: (……ぐだぐだすぎる……)


ルキエルがテーブルに突っ伏したまま、ボソッと呟く。


「計画って言うより……ただの夢日記じゃん……」


 


「でもまあ、今日はせっかくあんたたちに会えたし、おなかもいっぱいだし……」


リリアナは、胸を張って言い放つ。


「とりあえず、脱走は明日決行にしましょう!!」


「明日!?」


「そう!朝日と共に出発よ!さあみんな、気合入れて――」


「……うわぁ……」

「……ほんとにやる気なんだ……」


ルアンとミレアが引き気味で顔を見合わせる。


そして、そっとノインの方を見ると――


ノインは、またしてもすっと目を逸らした。


「……(完全に諦めてる)」


セレドに助けを求めるように目を向けると――


セレドは、もはや真正面の壁にガッツリ顔を向けたまま、無言。


「……壁とお話し中?」


ミレアの一言に、ルキエルが笑いを噛み殺すように肩を震わせた。


 


そんな中、リリアナは腕を組み、キラキラした目でノートを眺めながら誇らしげに言った。


「明日が楽しみね!これは大冒険になるわよ〜!」


 


……一同の疲労は、計画より先にピークを迎えていた。


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