表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
創世のルキエル  作者: ウルハ
第1章~始まり~
5/57

星が目覚める時

ーーそして現在。


「なぁ、おいおい。お前さ……それ、どういうつもり?」


ダリオがルアンの前に立ち塞がった。

その脂ぎった顔には、怒りと嘲笑が混ざっている。


「お前みたいなゴミが、セントラクト?

このオレと“同じ”だとでも思ってんのか?」


「ほんと笑えるよな〜」

「まじで神の目って節穴だよな」

「いや、むしろこいつ、哀れすぎて……?」


取り巻きたちの笑い声が広がる中、

ルアンは、ただ拳を握りしめた。


「おい!」


ダリオが後ろを振り返り、背後の黒い霧のエピルーク、ヴェイサを睨みつける。


「なあ!? エピルークってのは、オレみたいな選ばれた人間じゃねえとダメなんじゃねえの!?」


「ん〜、たしかにそう思いたいよねぇ?」


ヴェイサはだるそうに身体を揺らしながら、

ルキエルを一瞥して言った。


「でもまあ、あのエピルーク……無能なんじゃない?」


「なにいぃぃぃぃ!?」


ダリオの顔が真っ赤に染まり、怒声が通りに響く。


「……許さねぇ。

オレ様を見下すような目で見やがって……

お前も、あのエピルークも……ここで叩き潰す!!」


その瞬間、ヴェイサの身体から淡い風が立ち上る。



空気が震え、街路の石畳に不穏な風が巻き起こる。


ルアンはその圧に、思わず一歩だけ後ずさった。


けれどーー


隣に立つルキエルは、

ただ静かに、まっすぐルアンを見つめていた。


風が、うねった。


「Blast Whirlブラスト・ワール


ヴェイサが軽く呟いた瞬間、ダリオが笑みを浮かべて手を振り下ろした。

その刹那ーー空気が爆ぜる。


「ぐっ……!」


ルアンの身体が宙を舞い、石畳を数メートルも転がった。

焼けつくような痛み。肌が裂け、肩が削れる。

視界が、歪んでいく。


「なーんだ。口ほどにもねぇな、セントラクトのくせに」


ダリオが嘲笑を浮かべながら歩いてくる。

その顔は、歪んだ満足感に満ちていた。


「お前みたいな雑魚が、“選ばれた”? 虫酸が走るんだよ。

さっさと負けを認めろよ。土下座すりゃ、見逃してやってもいいぜ?」


その瞬間、風が再び唸った。


「Sky Rend Fangスカイ・レンド・ファング


ヴェイサの声と同時に、ダリオが指を突き出す。

風の刃が唸りを上げて地面を裂き、ルアンの脇腹を掠めた。


服が裂け、血が滲む。


「ルアンッ!!」


ルキエルの声が響いた。


だがーー

ルアンの膝は、震えていた。

怖い。痛い。負ける。

その言葉が、喉の奥で詰まりかけた、そのとき。


「ぼ、僕は……!」


絞り出すように叫んだ。


「……ま、負けーー」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ