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創世のルキエル  作者: ウルハ
小話
32/57

No.3


廊下を大股で歩くその後ろを、ルアンとミレア、そしてルキエルが並んでついていく。


石造りの階段を上がった先、廊下の一番奥にある木製の扉の前で女将は立ち止まった。

ごつい手でガチャリとドアを開ける。


「ここだよ。窓は南向きで朝日が入るし、寝具もちゃんと干してある。……ああ、荷物を置いたら下の食堂においで。夜ご飯をあげるよ」



ルアンは目を見開きながら、思わず部屋を見回す。


「すごい……こんなちゃんとした部屋、初めてかも……」


「……わたしも」


ミレアも、そっとつぶやいた。


「……ふんっ。まあまあじゃない?」


ルキエルが壁に寄りかかってふてくされるように言ったが、その唇の端は、わずかに綻んでいた。


ルアンとミレアが顔を見合わせた。


「……ほんとに、泊まれるんだ……」


「うん……ふふっ」


女将はそんなふたりの様子に肩をすくめて言う。


「ここに来る旅人なんてのは、大半が辛気臭いのばっかりでね。夢も志も擦り減らして、目が死んだやつばっか。あんたたちみたいな若いのがいると、ちょっとは宿の空気も変わる」


振り返って、ニッと笑う。


「だから、旅の話でも聞かせておくれよ。……腹一杯食って、ぐっすり寝て、明日また、前に進めばいい」


ルアンは小さく頷いて、ミレアもその横でふっと微笑んだ。


「……なんか、あったかいね」


こうして三人は、ようやく手に入れた“屋根のある夜”を迎えることとなった――。


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