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創世のルキエル  作者: ウルハ
小話
28/57

ノインとセレド

そのとき――


「そこまでだッ!!」


鋭く、凛とした声が森に響いた。


パカラッ、パカラッと蹄の音が近づく。霧を割って白馬にまたがった青年が現れた。


銀白の制服に身を包み、背筋を伸ばし剣を構えるその姿は、まさに騎士そのものだった。


「なっ……あいつは……!」


盗賊たちが一斉に顔を引きつらせる。


「……かっこ……」


ミレアが思わず呟いた。


「え、ちょ……あたしも今、同じこと思った……!」


姫も鼻水を垂らしながらぽかんと見惚れていた。


白馬の青年は馬を下り、冷静な声で一言。


「君たちは……下がっていて」


その言葉だけで、場の空気が一変した。


彼の傍らに、黒い燕尾服に身を包んだ、まるで執事のような老人がぬっと現れる。


「……ご命令を、ノイン様」


エピルーク――セレド。


盗賊たちは動きを止めた。


「ひっ……やばい、……!」


「に、逃げろぉぉ!!」


あっという間に盗賊たちは霧の中へと消えていった。


残されたのは、倒れ込みながら深く安堵するリリアナ姫。


「は〜〜助かった〜〜〜!!ありがと〜〜!」


そして、ミレアとルアンが改めてノインに頭を下げた。


「本当に……ありがとうございました」


青年――ノインは、剣を収めてから柔らかく微笑む。


「気にしないで。僕はこの国の“護衛騎士”だからね。姫様のお守りも、僕の役目さ」


そう言って、後ろで鼻をずびっとかんでいた姫を見やる。


「ご紹介遅れました。彼女はエルディア国の第三王女、リリアナ様。……そして、僕はその護衛騎士、ノインです、そして彼は私のエピルーク、セレドです」


そう言うとセレドは静かにお辞儀をする。


リリアナはズビッと鼻をかみつつ、どや顔。


「いや〜〜本当に命拾いしたわ〜! あっ、そうだ、あなた達名前は?」


「ルアンです。こっちはミレア、で、これが僕の契約エピルーク、ルキエル」


「……あの。君たち……もしかして、アナグナの出身?」


その問いに、ルアンとミレアの表情が少し曇る。


だが、ノインの顔に偏見の色はなかった。


「ごめん、嫌な思いさせたね。でも安心して。僕は出自よりも、その人の“行動”で判断するから」


リリアナも笑いながら手を振った。


「そうそう! あ〜あなたたち、あの国の人なのね! だからそんな見た目なんだ〜〜!!」


「……え?」


姫は悪気ゼロ。


「いやほら、褒めてるんだってば! 見た目とか雰囲気が、あっちとはちがって、なんていうの?こう……生命力って感じ!ほら、野性味あるっていうか!」


「……姫様、フォローになってません」ノインが小声で突っ込んだ。


ルアンたちは微妙な空気になりながらも、苦笑で返す。


「ま、まあ……」

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