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創世のルキエル  作者: ウルハ
小話
25/57

森が終わらない

そんなやり取りの中、空が群青へと染まり始める。


焚き火の炎がぱちりと小さく弾けたころ、ルキエルがぽつりと呟いた。


「……てかさ」


ルアンとミレアが顔を向ける。


「エルディア国って、もう過ぎてるんじゃない? ずっと森ばっかで飽きたんだけど」


その顔は心底退屈そうだった。


「なに言ってるんだよ、ルキエル」


ルアンが苦笑しながら答える。


「今歩いてるのはエルディアの外側の山林ルートだよ。僕たちアナグナの市民は、国境から正面突破なんてできないからさ。だから……このまま次の国まで行くには、森を迂回して歩き続けるしかない。……あと一ヶ月はかかると思う」


「…………は?」


ルキエルの表情が、きれいに固まった。


「……えっ、まって。一ヶ月って、三十日ってこと? ずっと……この同じ景色? 同じ緑、同じ木、同じ鳥の鳴き声……ってこと!?」


「まあ、そうなるかな」


ルアンがあっさり頷くと、ルキエルは頭を抱えた。


「ボクそんなに忍耐強くないんだけど!? 芸術は多様性! インスピレーションが死ぬ!!」


ミレアがクスッと吹き出し、ルアンもこらえきれず笑う。


「じゃあ、インスピレーションを鍛える旅だね」


「ぐぬぬぬぬ……! ルアンまで敵に回ったぁ……!」


嘆きの声を上げるルキエルの後ろで、森の木々がそよそよと揺れていた。


こうして三人の旅は、“まだまだ森の中”で、今日も一歩進んでいく――。


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