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創世のルキエル  作者: ウルハ
第2章~毒と嫉妬。ロギとミレア編~
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『嫉妬の先にあったもの』

森の霧が晴れていく中で、ルアンは静かに立ち上がった。


その隣では、ミレアが小さくうずくまるようにして座っていた。彼女の肩には、もうロギの姿はない。それでもその背中は、どこか少しだけ軽くなったようにも見えた。


ルアンは、ふと優しく微笑む。


「ねえ、ミレア。これから僕たち、旅に出るつもりなんだ。一緒に……行かない?」


その言葉に、ミレアが驚いたように顔を上げた。


「……私?」


「うん。一緒に見ようよ、この先の世界をさ」


そう言ったルアンの顔が、あまりにもまっすぐで。ミレアは視線を逸らし、胸元をぎゅっと押さえた。


「……気持ちは、嬉しいけど……。私、もう力……ないんだよ。ロギがいなくなったから……まともに魔法も使えない。毒のオーラも、もう……」


そうつぶやく彼女の表情は、どこか申し訳なさそうだった。


そのとき――


「……ふぅん。なんで君ばっかり優しくしてんの?」


横で聞いていたルキエルが、むすーっとした顔で腕を組んでいた。


「えっ?」


ルアンが思わずルキエルを振り返る。


「まったく……ボクの契約者なのに。昨日までボクに『一緒に旅しよう』って言ってたくせに……」


頬をぷくっと膨らませるルキエル。


「……なんか……モヤモヤする……。ああ、これが“嫉妬”ってやつ? やだな、これ……ムスー……」


珍しく情緒のある顔をするルキエルに、ルアンが少しだけ笑った。


「……ごめんごめん。でも、ルキエルも大事だよ」


「ふんっ。知ってるよ」


小さく背を向けながら、ルキエルが口を尖らせる。


そんなやりとりを見て、ミレアがぽつりとつぶやいた。


「……あのさ。だったらさ、エルフェリア国まで……連れてってくれない?」


ルアンの目が丸くなる。


「エルフェリア?」


「うん……そこ、ずっと行ってみたかった場所。……旅の途中で、そこまでなら……いいよ。一緒に行ってあげる」


少し拗ねたように言いながらも、その声にはどこか期待の色が混ざっていた。


「……よしっ、決まりだね!」


ルアンは力強く頷き、ミレアに手を差し出す。


ミレアは、一瞬迷ったあと、そっとその手を握った。


「じゃあ……よろしくね、ルアン。……ルキエルも」


「うん!よろしく、ミレア!」


「……ま、許してあげるよ。特別にね。ボクのルアンを“ちょっとだけ”貸してあげる」


と、ルキエルがいつもの調子で言いながら、くるっと身を翻した。


朝の光が差し込む境界線の森。


こうして三人の旅は、新たな一歩を踏み出すことになった――。

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