創世の遊戯
少しでも皆さんの目に留まることを願います。よろしくお願いします
一創世の遊戯一
かつてこの世界には、"神”がいた。
神は命を創り、世界に魔法と感情を与え、人々を導いていた。
だがある日、神は消えた。
理由も、言葉も、何も残さず一一跡形もなく。
神が消えた後に残されたのは、神の"子ら"ーーエピルークたち。
彼らは天界に在り、もともと形を持たず、感情も希薄な存在。
神の導きなくただ漂い、やがて彼らは退屈と空虚に飲み込まれていった。
そんな中、誰かがこう呟いた。
「この世界を一ーぼくたちが、創ってみたらどうなるだろう?」
神なき地上を前に、エピルークたちは"遊び”を始めた。
それが、**創世の遊戯**と呼ばれる、
世界そのものを懸けた、感情の奪い合いだった。
契約は単純だ。
人間と契約し、力を得て、他の契約者と戦う。
そしてーー
勝利した契約者のエピルークが、敗北した者の"最後に強く思った感情”を1つだけ奪う。
奪われた感情は二度と戻らず、奪われた契約者はその感情を永久に失う。
1同時に、敗北者のエピルークも完全に消滅する。
感情を1つ奪うたびに、エピルークは"人間らしさ"を得ていく。
やがてすべての感情を集めた"最後のひとり"のエピルークが、
新たな創世の主一一神となり、世界を作りかえる権利を手にする。
これは、そんな"遊び”に巻き込まれた、
ひとりの少年と、ひとりの神の子の、
世界と感情をめぐる、旅の物語である。