フロムハウス

　今までバイトをしたことがない大学生である有野は、母から言われてバイトをすることになった。
　そこで詳しい友人に相談するといくつかの候補が送られてきた。その中の一つの好条件に目が眩み、即座に応募する。
　そのバイト先で出会ったのは一人の男。彼と話す中で違和感が膨らんでいき、ついに何をするのかを知る。
　何とそのバイトとは、亡くなった人の未練を解消することだと言うのだ。
　剥き出しにされた感情に触れ、有野もまた突きつけられることになる。どう向き合うべきか、その理由は何なのかと。

　これは彼が体験したひと夏の思い出だ。淡く、しかしどこか刺激的な。そんな炭酸のような夏の日の話。