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44・絶望の終局

次話投稿したと思い込んで更新を忘れていたマヌケは私です

 

 瓦礫に埋もれ、顔だけ出したエリーゼがバカ笑いした。


「アッハッハッハッハッハ!! やったわ、成功よ! これで祖国の同志たちは救われる! アクシオスの裁きが全てを救済してくれる!」

「な、なんてことを......」


 慄いたフィオーレが、膝から崩れ落ちる。


「無能な共産党も、敵である王国が私たち魔導士によって崩壊すれば過ちを認めざるをえない! 魔導士に軍事的価値が見出され、ラーゲリから解放されるんだわ!!」


 AA12のマガジンを交換しながら、俺は上空を見上げる。


「情報がないんだが、その神龍とやらに魔法は効くのか?」

「無理よイグニス......効くわけないでしょう? 現代文明のいかなる高位魔法をもってしても、ヤツは止められないと口伝で知ったわ」

「そんなやつを解き放って、祖国だけは無事で済むと思ってるならエリーゼ市長もずいぶん短絡的だ」


 市長は笑い続ける。


「負け惜しみはよしなさいよ、あなたたち白の英雄がどんな大魔法使いの集団だろうと、アクシオスだけは止められない」


 大見栄を切ってるあたり、たぶんガチだろう。

 魔法陣からは、逆さに生えるようになにかの頭が出始めた。

 形容するならば、あれをドラゴンとはとても呼べない。


 背中に天使のような羽根を生やした、巨大な乳児とでも言おうか......。


 後ろの通路から、荷物を背負ったスカッドが走ってきた。

 全ての人質を解放したらしい。


「スカッド、空が見えるか?」

「なんか超ヤバイ感じですね、騎士団の連中が速攻逃げていきましたし」

「それだけとんでもない存在なんだろうな、スカッド......残弾は?」

「近接戦で使用したMP5Kは弾切れ、GM6対物ライフルはまだ残ってます」

「ならMP5はもう放棄していい、ラペリングの道具は持ってきたな?」

「もちろん、人数分ありますよ」


 3人で部屋の風穴に近づき、ロープによる降下の準備を行う。

 無言で作業を手伝っていたエミリアが、気まずそうにスカッドを横目で見た。


「ごめん、心配かけた......」

「本当、ああいうのはこれっきりにしてくれ。ピンチの演出なんて少年漫画だけで十分なんだよ」

「ごめんなさい......大尉、帰ったらちゃんと説教も訓練も受けます」

「おれ相手にはタメ口でいい、お前が少佐以外に敬語使ってると違和感あるんだよ」


 作業を終わらせたスカッドは、強度を確認しながら呟く。


「もう十分少佐に怒られてんだろ、あとはフィオーレさんにだけ謝っておけば良いと俺は思う」

「......ありがと」


 さすがは犬猿の仲だ。

 俺がなにかフォローする必要はなさそうである。


「どうするつもりよイグニス......、私たちもう負けたのに」

「そう悲観すんなよ、ほら立て」


 絶望に打ちひしがれていた彼女を立たせる。

 そして、有無を言わさずおぶった。


「ちょっ!? イグニス!!?」

「しっかり捕まってろよ! 全員準備はできたな!?」


 俺はヘリから持ってきていたバッグを開け、携行式レーザー誘導装置を目線の位置に掲げる。


「さーて、生き残れるか......!!」


 スイッチを押すと、空爆誘導用レーザーが飛び出した。



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